医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)

 

医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)

以下の文章は厚生労働省が2018年5月8日に公表した「医療広告ガイドライン(2018年5月8日版、リンク先はPDFファイル) 」をスマホで見やすく表示させたものです。

第1  広告規制の趣旨

1  医療法の一部改正について

医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告(以下「医療に関する広告」という。) については、患者等の利用者保護の観点から、医療法(昭和 23 年法律第 205 号。以下「法」という。) その他の規定により制限されてきたところであるが、医療機関のウェブサイトについては、原則として、規制対象とせず「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針(医療機関ホームページガイドライン)について」(平成 24 年9月 28 日付け医政発 0928 第1号厚生労働省医政局長通知)により関係団体等による自主的な取組を促してきた。

しかしながら、美容医療に関する相談件数が増加する中、消費者委員会より、医療機関のウェブサイトに対する法的規制が必要である旨の建議(美容医療サービスに係るホームページ及び事前説明・同意に関する建議(消費者委員会平成 27 年7月7日))がなされた。同建議を踏まえ、平成 29 年の通常国会で成立した医療法等の一部を改正する法律(平成 29 年法律第 57 号)により医療機関のウェブサイト等についても、他の広告媒体と同様に規制の対象とし、虚偽又は誇大等の表示を禁止し、是正命令や罰則等の対象とすることとした。

その際、医療機関のウェブサイト等についても、他の広告媒体と同様に広告可能事項を限定することとした場合、詳細な診療内容など患者等が求める情報の円滑な提供が妨げられるおそれがあることから、一定の条件の下に広告可能事項の限定を解除することとしている。

2  基本的な考え方

医療に関する広告は、患者等の利用者保護の観点から、次のような考え方に基づき限定的に認められた事項以外は、原則として広告が禁止されてきたところである。

①  医療は人の生命・身体に関わるサービスであり、不当な広告により受け手側が誘引され、不適当なサービスを受けた場合の被害は、他の分野に比べ著しいこと。

②  医療は極めて専門性の高いサービスであり、広告の受け手はその文言から提供される実際のサービスの質について事前に判断することが非常に困難であること。

今回の広告規制の見直しに当たっては、こうした基本的な考え方は引き続き堅持しつつ、規制対象を「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」に拡大する一方、患者等に正確な情報が提供されその選択を支援する観点から、医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合については、幅広い事項の広告を認めることとした。

(1)  広告を行う者の責務

医療に関する広告を行う者は、その責務として、患者や地域住民等が広告内容を適切に理解し、治療等の選択に資するよう、客観的で正確な情報の伝達に努めなければならない。さらに、広告は患者の受診等を誘引するという目的を有するものの、患者や地域住民等の利用者へ向けた客観的で正確な情報伝達の手段として広告を実施するべきであり、また、医療機関等が自らの意思により行う必要がある。

(2)  禁止される広告の基本的な考え方

法第6条の5第1項の規定により、内容が虚偽にわたる広告は、患者等に著しく事実に相違する情報を与えること等により、適切な受診機会を喪失したり、不適切な医療を受けるおそれがあることから、罰則付きで禁じられている。

同様の観点から、法第6条の5第2項の規定及び医療法施行規則(昭和 23 年厚生省令第 50 号。以下「省令」という。)第1条の9により、次の広告は禁止されている。

(ⅰ)  比較優良広告

(ⅱ)  誇大広告

(ⅲ)  公序良俗に反する内容の広告

(ⅳ)  患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告

(ⅴ)  治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等の広告

また、(3)によって広告可能事項が限定される場合、広告可能とされた事項以外は、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も広告をしてはならないこととされている。

さらに、医薬品、医療機器の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和 35 年法律 第 145 号。以下「医薬品医療機器等法」という。)等の他法令やそれら法令に関連する広告の指針に抵触する内容について広告しないことは当然のことであり、それらの他法令等による広告規制の趣旨に反する広告についても、行わないこととする。

また、品位を損ねる内容の広告等、医療に関する広告としてふさわしくないものについても、厳に慎むべきものである。

(3)  広告可能な事項の基本的な考え方

法第6条の5第3項の規定により、医療を受ける者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合として厚生労働省令で定める場合を除き、法又は「医業、歯科医業若しくは助産師の業務又は病院、診療所若しくは助産所に関して広告することができる事項」(平成 19年厚生労働省告示第 108 号。以下「広告告示」という。)により、医療に関する広告として広告可能な事項は、患者の治療選択等に資する情報であることを前提とし、医療の内容等については、客観的な評価が可能であり、かつ事後の検証が可能な事項に限られる。

3  他の法律における規制との関係

医療に関する広告の規制については、法に基づく規定の他に、不当景品類及び不当表示防止法(昭和 37 年法律第 134 号。以下「景表法」という。)、医薬品医療機器等法等があり、これら他法令に違反する広告は、当該他法令に基づく指導・処分等の対象となり得るものである。法第6条の5等の規定に違反し、又は違反が疑われる広告は、これら広告等を規制する他法の規定に違反し、又は違反している可能性があり得るものである。このため、法の運用に当たっては、関係法令の内容を十分に理解し、法を主管する課室(以下「法主管課室」という。)を中心に、景表法主管課室等の関係法令を所管する課室も含め、収集した情報の交換等により、密接に連携・協力し、指導等の実効を挙げるように努められたい。

なお、法主管課室が行う苦情相談や指導等の手順その他の実務的な内容については、本指針第6を参照されたい。

第2  広告規制の対象範囲

1  広告の定義

法第2章第2節「医業、歯科医業又は助産師の業務等の広告」の規定による規制の対象となる医療に関する広告の該当性については、次の①及び②のいずれの要件も満たす場合に、広告に該当するものと判断されたい。

①  患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)

②  医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること(特定性)

なお、①でいう「誘引性」は、広告に該当するか否かを判断する情報物の客体の利益を期待して誘引しているか否かにより判断することとし、例えば新聞記事は、特定の病院等を推薦している内容であったとしても、①でいう「誘引性」の要件を満たさないものとして取り扱うこと。ただし、当該病院等が自らのウェブサイト等に掲載する治療等の内容又は効果に関する体験談については広告に該当すること(その上で省令第 1 条の 9 第 1 号の規定に基づき禁止されること)。

また、②でいう「特定性」については、複数の提供者又は医療機関を対象としている場合も該当するものであること。

2  実質的に広告と判断されるもの

広告規制の対象となることを避ける意図をもって外形的に上記1の①及び②に該当することを回避するための表現を行う者があることが予想される。しかしながら、例えば、

ア 「これは広告ではありません。」、「これは、取材に基づく記事であり、患者を誘引するものではありません。」との記述があるが、病院名等が記載されている

イ 「医療法の広告規制のため、具体的な病院名は記載できません。」といった表示をしているが、住所、電話番号及びウェブサイトのアドレス等から病院等が特定可能である

ウ 治療法等を紹介する書籍、冊子及びウェブサイトの形態をとっているが、特定(複数の場合も含む。)の病院等の名称が記載されていたり、電話番号やウェブサイトのアドレスが記載されていることで、一般人が容易に当該病院等を特定できる

等のような場合には、実質的に上記1に掲げた①及び②の要件をいずれも満たす場合には、広告に該当するものとして取り扱うことが適当である。

また、新しい治療法等に関する書籍等に「当該治療法に関するお問い合わせは、○○研究会へ」 等と掲載されている場合のように、当該書籍等では直接には、病院等が特定されない場合であって、

「当該書籍は純然たる出版物であって広告ではない。」等として、広告の規制の対象となることを回避しようとする場合もある。

この場合であっても、連絡先が記載されている「○○研究会」や出版社に問い合わせると特定の医療機関(複数の場合も含む。)をあっせん等していることが認められる場合であって、当該医療機関が別の個人や出版社等の団体を介在させることにより、広告規制の対象となることを回避しようとしていると認められる場合には、これらは、いわゆるタイアップ本やバイブル本と呼ばれる書籍や記事風広告と呼ばれるものとして、実質的には、上記1の①及び②に示したいずれの要件も満たし、広告として取り扱うことが適当な場合があるので十分な留意が必要である。

加えて、患者等に広告と気付かれないように行われる、いわゆるステルスマーケティング等についても、医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなど、実質的には上記①及び②に示したいずれの要件も満たし、同様に広告として取り扱うことが適当な場合があるので十分な留意が必要である。

3  暗示的又は間接的な表現の扱い

医療に関する広告については、直接的に表現しているものだけではなく、当該情報物を全体でみた場合に、暗示的や間接的に医療に関する広告であると一般人が認識し得るものも含まれる。このため、例えば、次のようものは、医療に関する広告に該当するので、広告可能とされていない事項や虚偽・誇大広告等に該当する場合には、認められないものである。

ア  名称又はキャッチフレーズにより表示するもの

【具体例】

①  アンチエイジングクリニック又は(単に)アンチエイジング

アンチエイジングは診療科名として認められておらず、また、公的医療保険の対象や医薬品医療機器等法上の承認を得た医薬品等による診療の内容ではなく、広告としては認められない。

②  最高の医療の提供を約束!

「最高」は最上級の比較表現であり、認められない。

イ  写真、イラスト、絵文字によるもの(例)

①  病院の建物の写真

当該病院の写真であれば、広告可能である(法第6条の5第3項第7号)が、他の病院の写真は認められない。

②  病人が回復して元気になる姿のイラスト

効果に関する事項は広告可能な事項ではなく、また、回復を保障すると誤認を与えるおそれがあり、誇大広告に該当するので、認められない。

ウ 新聞、雑誌等の記事、医師、学者等の談話、学説、体験談などを引用又は掲載することによるもの

【具体例】

①  新聞が特集した治療法の記事を引用するもの

法第6条の5第3項第 12 号で認められた「治療の内容」の範囲であり、改善率等の広告が認められていない事項が含まれていない場合には、引用可能である。

②  雑誌や新聞で紹介された旨の記載

自らの医療機関や勤務する医師等が新聞や雑誌等で紹介された旨は、広告可能な事項ではないので、広告は認められない。

③  専門家の談話を引用するもの

専門家の談話は、その内容が保障されたものと著しい誤認を患者等に与えるおそれがあるものであり、広告可能な事項ではない。また、医薬品医療機器等法上の未承認医薬品を使用した治療の内容も、広告可能な事項ではなく、広告は認められない。

エ  病院等のウェブサイトのURLやEメールアドレス等によるもの

【具体例】

①  www.gannkieru.ne.jp

ガン消える(gannkieru)とあり、癌が治癒することを暗示している。治療の効果に関することは、広告可能な事項ではなく、また、治療を保障している誇大広告にも該当し得るものであり、認められない。

②  nolhospi@xxx.or.jp

「nolhospi」の文字は、「No.1Hospital」を連想させ、日本一の病院である旨を暗示している。「日本一」等は、比較優良広告に該当するものであり、認められない。

4  医療に関する広告規制の対象者

(1)  医療に関する広告規制の対象者

法第6条の5第1項において「何人も、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告その他の医療を受ける者を誘引する為の手段としての表示(以下この節において単に「広告」という。)をする場合には、虚偽の広告をしてはならない」とあるように、医師若しくは歯科医師又は病院等の医療機関だけではなく、マスコミ、広告代理店、アフィリエイター(閲覧した人を誘引することを目的としてブログ等で紹介し、その成果に応じて報酬が支払われる広告を行う者をいう。以下同じ。)、患者又は一般人等、何人も広告規制の対象とされるものである。

また、日本国内向けの広告であれば、外国人や海外の事業者等による広告(海外から発送されるダイレクトメールやEメール等)も規制の対象である。

(2)  広告媒体との関係

広告依頼者から依頼を受けて、広告を企画・制作する広告代理店や広告を掲載する新聞、雑誌、テレビ、出版等の業務に携わる者及びアフィリエイターは、依頼を受けて広告依頼者の責任により作成又は作成された広告を掲載、放送等するに当たっては、当該広告の内容が虚偽誇大なもの等、法や本指針に違反する内容となっていないか十分留意する必要があり、違反等があった場合には、広告依頼者とともに法や本指針による指導等の対象となり得るものである。

5  広告に該当する媒体の具体例

本指針第2の1において、広告の定義を示しているところであるが、広告の規制対象となる媒体の具体例としては、例えば、次に掲げるものが挙げられる。

【具体例】

ア  チラシ、パンフレットその他これらに類似する物によるもの(ダイレクトメール、ファクシミリ等によるものを含む。)

イ  ポスター、看板(プラカード及び建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)、ネオンサイン、アドバルーンその他これらに類似する物によるもの

ウ 新聞紙、雑誌その他の出版物、放送(有線電気通信設備による放送を含む。)、映写又は電光によるもの

エ 情報処理の用に供する機器によるもの(Eメール、インターネット上の広告等)

オ 不特定多数の者への説明会、相談会、キャッチセールス等において使用するスライド、ビデオ又は口頭で行われる演述によるもの

6  通常、医療に関する広告とは見なされないものの具体例

(1)  学術論文、学術発表等

学会や専門誌等で発表される学術論文、ポスター、講演等は、社会通念上、広告と見なされることはない。これらは、本指針第2の1に掲げた①及び②の要件のうち、①の「誘引性」を有さないため、本指針上も原則として、広告に該当しないものである。

ただし、学術論文等を装いつつ、不特定多数にダイレクトメールで送る等により、実際には特定の医療機関(複数の場合を含む。)に対する患者の受診等を増やすことを目的としていると認められる場合には、①の「誘引性」を有すると判断し、①及び②の要件を満たす場合には、広告として扱うことが適当である。

(2)  新聞や雑誌等での記事

新聞や雑誌等での記事は、本指針第2の1に掲げた①及び②の要件のうち、①の「誘引性」を通常は有さないため、本指針上も原則として、広告に該当しないものであるが、費用を負担して記事の掲載を依頼することにより、患者等を誘引するいわゆる記事風広告は、広告規制の対象となるものである。

(3)  患者等が自ら掲載する体験談、手記等

自らや家族等からの伝聞により、実際の体験に基づいて、例えば、A病院を推薦する手記を個人Xが作成し、出版物やしおり等により公表した場合や口頭で評判を広める場合には、一見すると本指針第2の1に掲げた①及び②の要件を満たすが、この場合には、個人XがA病院を推薦したにすぎず、①の「誘引性」の要件を満たさないため広告とは見なさない。

ただし、A病院からの依頼に基づく手記であったり、A病院から金銭等の謝礼を受けている又はその約束がある場合には、①の「誘引性」を有するものとして扱うことが適当である。また、個人XがA病院の経営に関与する者の家族等である場合にも、病院の利益のためと認められる場合には、①の「誘引性」を有するものとして、扱うものであること。

(4)  院内掲示、院内で配布するパンフレット等

院内掲示、院内で配布するパンフレット等はその情報の受け手が、既に受診している患者等に限定されるため、本指針第2の1に掲げた①及び②の要件のうち、①「患者の受診等を誘引する意図があること」(誘引性)を満たすものではなく、情報提供や広報と解される。

(5)  医療機関の職員募集に関する広告

医療機関に従事する職員の採用を目的としたいわゆる求人広告は、通常、医療機関の名称や連絡先等が記載されているが、当該医療機関への受診を誘引するものではないことから、本指針第

2の1に掲げた①及び②の要件のうち、①の「誘引性」を有するものではない。そのため、本指針の対象となる医療に関する広告ではない。

第3  禁止される広告について

1  禁止の対象となる広告の内容

法第6条の5第1項の規定により、患者等に著しく事実に相違する情報を与え、適切な受診機会を喪失したり、不適切な医療を受けさせるおそれがあることから、内容が虚偽にわたる広告は、罰則付きで禁じられている。

同様に、同条第2項の規定により、患者等に対して医療に関する適切な選択に関し必要な基準として、いわゆる比較優良広告、誇大広告の他、公序良俗に反する内容の広告が禁止されている。また、省令で広告の基準が定められ、当該基準に適合しなければならないこととされている。広告の基準としては、患者等の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告及び治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前後の写真等の広告が禁止されるものである。

さらに、同条第3項の規定により、患者等による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合として省令で定める場合(第4参照)を除いては、広告可能な事項が限定されており、広告可能な事項以外の広告は禁じられている。

(1)  広告が可能とされていない事項の広告

法第6条の5第3項に「次に掲げる事項以外の広告がされても医療を受ける者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合として厚生労働省令で定める場合を除いては、次に掲げる事項以外の広告をしてはならない。」と規定されているように、医療に関する広告は、患者の治療選択等に資する情報として、法又は広告告示により広告可能とされた事項を除いては、原則、広告が禁じられているものであること。

【具体例】

  • 専門外来

→専門外来については、広告が可能な診療科名と誤認を与える事項であり、広告可能な事項ではない。(ただし、保険診療や健康診査等の広告可能な範囲であれば、例えば、「糖尿病」、「花粉症」、「乳腺検査」等の特定の治療や検査を外来の患者に実施する旨の広告は可能であり、専門外来に相当する内容を一律に禁止するものではない。)

  • 死亡率、術後生存率等

→医療の提供の結果としては、医療機能情報提供制度において報告が義務付けられた事項以外は、対象となった患者の状態等による影響も大きく、適切な選択に資する情報であるとの評価がなされる段階にはないことから、広告可能な事項ではない。

  • 未承認医薬品(海外の医薬品やいわゆる健康食品等)による治療の内容

→治療の方法については、広告告示で認められた保険診療で可能なものや医薬品医療機器等法で承認された医薬品による治療等に限定されており、未承認医薬品による治療は、広告可能な事項ではない。

(2)  内容が虚偽にわたる広告(虚偽広告)

法第6条の5第1項に規定する「虚偽の広告をしてはならない」とは、広告に示された内容が虚偽である場合、患者等に著しく事実に相違する情報を与え、適切な受診機会を喪失したり、不適切な医療を受けるおそれがあることから、罰則付きで禁じられているものであること。

【具体例】

  • 絶対安全な手術です!
  • 「どんなに難しい症例でも必ず成功します」

→絶対安全な手術等は、医学上あり得ないので、虚偽広告として扱うこと。

  • 厚生労働省の認可した○○専門医

→専門医の資格認定は、学会が実施するものであり、厚生労働省が認可した資格ではない。

  • 加工・修正した術前術後の写真等の掲載

→あたかも効果があるかのように見せるため加工・修正した術前術後の写真等については、虚偽広告として取り扱うべきであること。

  • 「一日で全ての治療が終了します」(治療後の定期的な処置等が必要な場合)

→治療後の定期的な処置等が必要であるにもかかわらず、全ての治療が一日で終了するといった内容の表現を掲載している場合には、内容が虚偽広告として取り扱うべきであること。

  • 「○%の満足度」(根拠・調査方法の提示がないもの)

データの根拠(具体的な調査の方法等)を明確にせず、データの結果と考えられるもののみを示すものについては、虚偽広告として取り扱うべきであること。

また、非常に限られた患者等を対象に実施された調査や謝金を支払うことにより意図的に誘導された調査の結果など、公正なデータといえないものについても、虚偽にわたるものとして取り扱うべきであること。

  • 「当院は、○○研究所を併設しています」(研究の実態がないもの)

法第 42 条の規定に基づき、当該医療機関を開設する医療法人の定款等において同条第2号に掲げる医学又は歯学に関する研究所の設置を行う旨の定めがある場合等においても、研究している実態がない場合には、虚偽広告として取り扱うべきであること。

(3)  他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告(比較優良広告)

法第6条の5第2項第1号に規定する「他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告をしないこと」とは、特定又は不特定の他の医療機関(複数の場合を含む。)と自らを比較の対象とし、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容等について、自らの病院等が他の医療機関よりも優良である旨を広告することを意味するものであり、医療に関する広告としては認められないものであること。

これは、事実であったとしても、優秀性について、著しく誤認を与えるおそれがあるために禁止されるものであり、例えば、「日本一」、「№1」、「最高」等の最上級の表現その他優秀性について著しく誤認を与える表現は、客観的な事実であったとしても、禁止される表現に該当すること。

ただし、最上級を意味する表現その他優秀性について著しく誤認を与える表現を除き、必ずしも客観的な事実の記載を妨げるものではないが、求められれば内容に係る裏付けとなる合理的な根拠を示し、客観的に実証できる必要がある。調査結果等の引用による広告については、出典、調査の実施主体、調査の範囲、実施時期等を併記する必要がある。

また、著名人との関連性を強調するなど、患者等に対して他の医療機関より著しく優れているとの誤認を与えるおそれがある表現は、患者等を不当に誘引するおそれがあることから、比較優良広告として取り扱うこと。

【具体例】

  • 肝臓がんの治療では、日本有数の実績を有する病院です。
  • 当院は県内一の医師数を誇ります。
  • 本グループは全国に展開し、最高の医療を広く国民に提供しております。
  • 「芸能プロダクションと提携しています」
  • 「著名人も○○医師を推薦しています」
  • 本グループは全国に展開し、最高の医療を広く国民に提供しております。
(4)  誇大な広告(誇大広告)著名人も当院で治療を受けております。

法第6条の5第2項第2号に規定する「誇大な広告」とは、必ずしも虚偽ではないが、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容等について、事実を不当に誇張して表現していたり、人を誤認させる広告を意味するものであり、医療に関する広告としては認められないものであること。

「人を誤認させる」とは、一般人が広告内容から認識する「印象」や「期待感」と実際の内容に相違があることを常識的判断として言えれば足り、誤認することを証明したり、実際に誤認したという結果までは必要としないこと。

【具体例】

  • 知事の許可を取得した病院です!(「許可」を強調表示する事例)

→病院が都道府県知事の許可を得て開設することは、法における義務であり当然のことであるが、知事の許可を得たことをことさらに強調して広告し、あたかも特別な許可を得た病院であるかの誤認を与える場合には、誇大広告として扱うこと。

  • 医師数○名(○年○月現在)

→示された年月の時点では、常勤換算で○名であることが事実であったが、その後の状況の変化により、医師数が大きく減少した場合には、誇大広告として扱うこと。(この場合、広告物における文字サイズ等の強調の程度や医療機関の規模等を総合的に勘案し、不当に患者を誘引するおそれがあるかを判断するべきであり、一律に何名の差をもって誇大広告と扱うかを示すことは困難であるが、少なくとも実態に即した人数に随時更新するよう指導するべきである。)

  • (美容外科の自由診療の際の費用として)顔面の○○術1カ所○○円

→例えば、当該費用について、大きく表示された値段は5カ所以上同時に実施したときの費用であり、1カ所のみの場合等には、倍近い費用がかかる場合等、小さな文字で注釈が付されていたとしても、当該広告物からは注釈を見落とすものと常識的判断から認識できる場合には、誇大広告として扱うべきである。

  • 「○○学会認定医」(活動実態のない団体による認定)
  • 「○○協会認定施設」(活動実態のない団体による認定)

→客観的かつ公正な一定の活動実績が確認される団体によるものを除き、当該医療機関関係者自身が実質上運営している団体や活動実態のない団体などによる資格認定や施設認定を受けた旨については、国民・患者を不当に誘引するおそれがあり、誇大広告として扱うべきであること。

  • 「○○センター」(医療機関の名称又は医療機関の名称と併記して掲載される名称)

→医療機関の名称として、又は医療機関の名称と併せて、「○○センター」と掲載することについては、

  • 法令の規定又は国の定める事業を実施する病院又は診療所であるものとして、救命救急センター、休日夜間急患センター、総合周産期母子医療センター等、一定の医療を担う医療機関である場合

又は

  • 当該医療機関が当該診療について、地域における中核的な機能や役割を担っていると都道府県等が認める場合

に限るものとし、それ以外の場合については、誇大広告として取り扱うべきであること。ただし、当該医療機関が提供する医療の一部を担当する部門名として患者向けに院内掲示しているものをそのままウェブサイトに掲載している場合等には、原則として、内容が誇大なものとして扱わないこと。

  • 手術や処置等の効果又は有効性を強調するもの

→撮影条件や被写体の状態を変えるなどして撮影した術前術後の写真等をウェブサイトに掲載し、その効果又は有効性を強調することは、国民や患者を誤認させ、不当に誘引するおそれがあることから、そうした写真等については誇大広告として扱うべきである。

また、あたかも効果があるかのように見せるため加工・修正した術前術後の写真等については、上記(2)の虚偽広告に該当する。(再掲)

  • 比較的安全な手術です。

→何と比較して安全であるか不明であり、誇大広告として扱うべきであること。

  • 伝聞や科学的根拠に乏しい情報の引用

→医学的・科学的な根拠に乏しい文献やテレビの健康番組での紹介による治療や生活改善法等の紹介は、それらだけをもっては客観的な事実であるとは証明できないため、誇大広告として取り扱うべきであること。

  • 「○○の症状のある二人に一人が○○のリスクがあります」
  • 「こんな症状が出ていれば命に関わりますので、今すぐ受診ください」

→科学的な根拠が乏しい情報であるにもかかわらず特定の症状に関するリスクを強調することにより、医療機関への受診を誘導するものは、誇大広告として取り扱うべきであること。

  • 「○○手術は効果が高く、おすすめです。」

→科学的な根拠が乏しい情報であるにもかかわらず特定の手術や処置等の有効性を強調することにより、有効性が高いと称する手術等の実施へ誘導するものは、誇大広告として取り扱うべきであること。

  • 「○○手術は効果が乏しく、リスクも高いので、新たに開発された○○手術をおすすめします」

→科学的な根拠が乏しい情報であるにもかかわらず特定の手術や処置等のリスクを強調することにより、リスクが高いと称する手術等以外のものへ誘導するものは、誇大広告として取り扱うべきであること。

(5)  患者等の主観に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談

省令第1条の9第1号に規定する「患者その他の者の主観又は伝聞に基づく、治療等の内容又は効果に関する体験談の広告をしてはならないこと」とは、医療機関が、治療等の内容又は効果に関して、患者自身の体験や家族等からの伝聞に基づく主観的な体験談を、当該医療機関への誘引を目的として紹介することを意味するものであるが、こうした体験談については、個々の患者の状態等により当然にその感想は異なるものであり、誤認を与えるおそれがあることを踏まえ、医療に関する広告としては認められないものであること。

これは、患者の体験談の記述内容が、広告が可能な範囲であっても、広告は認められない。なお、個人が運営するウェブサイト、SNSの個人のページ及び第三者が運営するいわゆる口コミサイト等への体験談の掲載については、医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなどによる誘引性が認められない場合は、広告に該当しないこと。

(6) 治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等

省令第1条の9第2号に規定する「治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前又は後の写真等を広告をしてはならないこと」とは、いわゆるビフォーアフター写真等を意味するものであるが、個々の患者の状態等により当然に治療等の結果は異なるものであることを踏まえ、誤認させるおそれがある写真等については医療に関する広告としては認められないものであること。

また、術前又は術後の写真に通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項や、治療等の主なリスク、副作用等に関する事項等の詳細な説明を付した場合についてはこれに当たらないものであること。

さらに、当該情報の掲載場所については、患者等にとって分かりやすいよう十分に配慮し、例えば、リンクを張った先のページへ掲載したり、利点や長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載したりといった形式を採用しないこと。

なお、治療効果に関する事項は広告可能事項ではないため、第4に定める要件を満たした限定解除の対象でない場合については、術前術後の写真等については広告できない。

【具体例】

  • 術前又は術後(手術以外の処置等を含む。)の写真やイラストのみを示し、説明が不十分なもの
(7)  公序良俗に反する内容の広告

法第6条の5第2項第3号に規定する「公の秩序又は善良の風俗に反する内容の広告をしないこと」とは、わいせつ若しくは残虐な図画や映像又は差別を助長する表現等を使用した広告など、公序良俗に反する内容の広告を意味するものであり、医療に関する広告としては認められないこと。

(8)  その他

品位を損ねる内容の広告、他法令又は他法令に関連する広告ガイドラインで禁止される内容の広告は、医療に関する広告として適切ではなく、厳に慎むべきものであること。

ア  品位を損ねる内容の広告

医療に関する広告は、患者や地域住民等が広告内容を適切に理解し、治療等の選択に資するよう、客観的で正確な情報の伝達に努めなければならないものであることから、医療機関や医療の内容について品位を損ねる、あるいはそのおそれがある広告は行わないものとすること。

①  費用を強調した広告

【具体例】

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②  提供される医療の内容とは直接関係ない事項による誘引

提供される医療の内容とは直接関係のない情報を強調し、国民・患者を誤認させ、不当に国民・患者を誘引する内容については、広告は行わないものとすること。

【具体例】

  • 「無料相談をされた方全員に○○をプレゼント」

物品を贈呈する旨等を誇張することは、提供される医療の内容とは直接関係のない事項として取り扱うべきであること。

③  ふざけたもの、ドタバタ的な表現による広告

イ  他法令又は他法令に関する広告ガイドラインで禁止される内容の広告

他法令に抵触する広告を行わないことは当然として、他法令に関する広告ガイドラインも遵守すること。

また、広告は通常、医療機関が自らの意思により、患者等の選択に資するために実施するものであり、例えば、医薬品又は医療機器の販売会社等からの依頼により、金銭の授与等の便宜を受けて、特定の疾病を治療できる旨等について広告することは、厳に慎むべきであること。

①  医薬品医療機器等法

例えば、医薬品医療機器等法第 66 条第1項の規定により、医薬品・医療機器等の名称や、

効能・効果、性能等に関する虚偽・誇大広告が禁止されている。また、同法第 68 条の規定により、承認前の医薬品・医療機器について、その名称や、効能・効果、性能等についての広告が禁止されており、例えば、そうした情報をウェブサイトに掲載した場合には、当該規定等により規制され得ること。

【具体例】

  • 医薬品「○○錠」を処方できます。

→医薬品の商品名は、医薬品医療機器等法の広告規制の趣旨に鑑み、広告を行わないこと。

  • 当院ではジェネリック医薬品を採用しております。

→医薬品が特定されないため、医薬品医療機器等法上の医薬品の広告には該当せず、医療の内容に関する事項として広告可能である。

  • AGA 治療薬を取り扱っております。

→医薬品が特定されないため、自由診療である旨と標準的な費用を併せて示してあれば、医薬品医療機器等法の承認を得た医薬品による治療の内容に関する事項として広告可能である。

②  健康増進法(平成 14 年法律第 103 号)

例えば、健康増進法第 31 条第1項の規定により、何人も、食品として販売に供する物に関して、健康の保持増進の効果等について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をすることが禁止されており、例えば、そうした情報をウェブサイトに掲載した場合には、当該規定等により規制され得ること。

③  景表法

例えば、景表法第5条の規定により、商品又は役務の品質等について、一般消費者に対し、実際のもの又は事実に相違して競争事業者のものよりも著しく優良であると示す表示又は取引条件について実際のもの又は競争事業者のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示等(以下「不当表示」という。)が禁止されており、例えば、不当表示に当たるものをウェブサイトに掲載した場合には、当該規定等により規制され得ること。

④  不正競争防止法(平成5年法律第 47 号)

例えば、不正競争防止法第 21 条第2項の規定により、不正の目的をもって役務の広告等にその役務の質、内容、用途又は数量について誤認させるような表示をする行為等が禁止されている(同項第1号)ほか、虚偽の表示をする行為が禁止されており(同項第5号)、例えば、上記4(1)の虚偽の内容に当たるものをウェブサイトに掲載した場合には、当該規定等により規制され得ること。

第4  広告可能事項の限定解除の要件等

1  基本的な考え方

法第6条の5第3項の規定により、法又は広告告示により広告が可能とされた事項以外は、広告してはならないこととされているが、同項の規定により、患者が自ら求めて入手する情報については、適切な情報提供が円滑に行われる必要があるとの考え方から、規則第1条の9の2に規定する要件を満たした場合、そうした広告可能事項の限定を解除し、他の事項を広告することができる(以下「広告可能事項の限定解除」という。)。なお、こうした広告可能事項以外の事項についても、法第6条の5第2項及び規則第1条の9に定める広告の内容及び方法の基準に適合するとともに、その内容が虚偽にわたってはならない。

2  広告可能事項の限定解除の具体的な要件

広告可能事項の限定解除が認められる場合は、以下の①~④のいずれも満たした場合とする。ただし、③及び④については自由診療について情報を提供する場合に限る。

①  医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトその他これに準じる広告であること

②  表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載することその他の方法により明示すること

③  自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること

④  自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること

①は、ウェブサイトのように、患者等が自ら求めた情報を表示するものであって、これまで認知性

(一般人が認知できる状態にあること)がないために医療広告の規制の対象とされていなかったウェブサイトの他、メルマガ、患者の求めに応じて送付するパンフレット等が該当しうるものであること。なお、インターネット上のバナー広告、あるいは検索サイト上で、例えば「癌治療」を検索文字と

して検索した際に、スポンサーとして表示されるものや検索サイトの運営会社に対して費用を支払うことによって意図的に検索結果として上位に表示される状態にしたものなどは、①を満たさないものであること。

②は、表示される情報の内容について、問い合わせ先が記載されていること等により、容易に照会が可能であり、それにより患者と医療機関等との情報の非対称性が軽減されるよう担保されている場合を指す。

なお、問い合わせ先とは、電話番号、E メールアドレス等をいう。

③は、自由診療は保険診療として実施されるものとは異なり、その内容や費用が医療機関ごとに大きく異なり得るため、その内容を明確化し、料金等に関するトラブルを防止する観点から、当該医療

機関で実施している治療等を紹介する場合には、治療等の名称や最低限の治療内容・費用だけを紹介することにより国民や患者を誤認させ不当に誘引すべきではなく、通常必要とされる治療内容、標準的な費用、治療期間及び回数を掲載し、国民や患者に対して適切かつ十分な情報を分かりやすく提供すること。標準的な費用が明確でない場合には、通常必要とされる治療の最低金額から最高金額(発生頻度の高い追加費用を含む。)までの範囲を示すなどして可能な限り分かりやすく示すこと。

また、当該情報の掲載場所については、患者等にとって分かりやすいよう十分に配慮し、例えば、リンクを張った先のページへ掲載したり、利点や長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載したりといった形式を採用しないこと。

④は、自由診療に関しては、その利点や長所のみが強調され、その主なリスク等についての情報が乏しい場合には、当該医療機関を受診する者が適切な選択を行えないおそれがあるため、利点等のみを強調することにより、国民・患者を誤認させ不当に誘引すべきではなく、国民や患者による医療の適切な選択を支援する観点から、その主なリスクや副作用などの情報に関しても分かりやすく掲載し、国民や患者に対して適切かつ十分な情報を提供すること。

また、当該情報の掲載場所については、患者等にとって分かりやすいよう十分に配慮し、例えば、リンクを張った先のページへ掲載したり、利点や長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載したりといった形式を採用しないこと。

※ 自由診療とは、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和 57 年法律第 80 号)第7条第1項に規定する医療保険各法及び同法に基づく療養の給付等並びに公費負担医療に係る給付(以下「医療保険各法等の給付」という。)の対象とならない検査、手術その他の治療をいう。以下同じ。)

第5  広告可能な事項について

1  医療に関する広告として広告可能な範囲

法第6条の5第3項の規定により、法又は広告告示により広告が可能とされた事項以外は、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も広告をしてはならないこととされている。

2  医療機能情報提供制度との関係

法第6条の3による医療機能情報提供制度の対象となる事項については、専門外来を除いて医療に関する広告としても、原則として広告可能な事項である。ただし、都道府県が独自に報告を求める事項については、法又は広告告示で広告可能な事項として定められていない場合には、広告できない。

3  広告可能な事項の表現方法について

(1)  広告の手段

法又は広告告示により広告が可能とされた事項については、文字だけではなく、写真、イラスト、映像、音声等による表現も可能である。

(2)  広告可能な事項の記載の仕方

広告可能な治療の方法等については、正確な情報が提供され、患者やその家族あるいは住民自身によるその選択を支援する観点から、患者等の情報の受け手側の理解が可能となるように分かりやすい表現を使用したり、その説明を加えることは認められる。

例えば「人工透析」については、診療報酬点数表等にある「人工腎臓」や「血液透析」等との表現に加え、一般に用いられている「人工透析」の表現も広告可能である。

(3)  略号や記号の使用

広告可能な事項について、社会一般で用いられていたり、広告の対象となる地域において、正確な情報伝達が可能である場合には、略号や記号を使用することは差し支えないものとすること。

【具体例】

  • 社団法人→(社)
  • 電話番号 03-0000-0000→☎03-0000-0000
  • 地域で定着していると認められる病院等の略称(大学病院、中央病院等)

また、当該記号やマークが示す内容を文字等により併せて標記することで、正確な情報伝達が可能である場合にあっては、記号やマークを用いても差し支えない。

4  広告可能な事項の具体的な内容

広告可能事項については、一つ一つの事項を個別に列記するのではなく、一定の性質を持った項目群として、まとめて「○○に関する事項」と規定するいわゆる「包括規定方式」をとっている。

(1)  法第6条の5第3項第1号関係

「医師又は歯科医師である旨」については、医師法(昭和 23 年法律第 201 号)第2条に規定

する免許又は歯科医師法(昭和 23 年法律第 202 号)第2号に規定する免許を有する医師又は歯科医師である旨を医業又は歯科医業に関する広告に記載できるものであること。我が国での医師又は歯科医師の免許を有さない場合には、医師又は歯科医師である旨を広告できないこと。

また、外国における医師又は歯科医師である旨の広告はできないものであること。

なお、同項第7号にあるように、病院又は診療所に従事する薬剤師、看護師その他の医療従事者に関する氏名等は、広告可能な事項であり、本号の規定が、病院又は診療所に従事する者が薬剤師、看護師その他の医療従事者である旨の広告を妨げるものではないことに留意すること。

(2)  法第6条の5第3項第2号関係

「診療科名」については、法第6条の6第1項の規定にあるように、医療法施行令(昭和 23年政令第 326 号。以下「政令」という。)第3条の2で定められた診療科名又は当該診療に従事する医師が厚生労働大臣の許可を受けたものであること。

ア  政令に定められた診療科名

政令に定められた診療科名については、「広告可能な診療科名の改正について」(平成 20 年3月 31 日医政発第 0331042 号厚生労働省医政局長通知)で定めるところによること。当該通知の具体的内容は、以下のとおりである。

(ⅰ) 医療機関が標榜する診療科名として広告可能な範囲

①  「内科」「外科」は、単独で診療科名として広告することが可能であるとともに、

②  以下の

  • 身体や臓器の名称
  • 患者の年齢、性別等の特性
  • 診療方法の名称
  • 患者の症状、疾患の名称

についても、政令第3条の2第1項第1号ハに規定する事項に限り「内科」「外科」と組み合わせることによって、診療科名として広告することが可能である。

③  その他、政令第3条の2第1項第1号ニ(1)に定める診療科名である「精神科」、「アレルギー科」、「リウマチ科」、「小児科」、「皮膚科」、「泌尿器科」、「産婦人科」(※)、「眼科」、「耳鼻いんこう科」、「リハビリテーション科」、「放射線科」(※)、「救急科」、「病理診断科」「臨床検査科」についても、単独の診療科名として広告することが可能である。

また、これらの診療科名と上記②の(a)から(d)までに掲げる事項と組み合わせることによって、診療科名として広告することも可能である。

(※)「産婦人科」については、「産科」又は「婦人科」と代替することが可能。

「放射線科」については、「放射線治療科」又は「放射線診断科」と代替することが可能。

特に、上記②の組み合わせによる診療科名については、患者や住民自身が自分の病状に合った適切な医療機関の選択を行うことを支援するという観点から、虚偽、誇大な表示が規制されるのみでなく、診療内容の性格に応じた最小限必要な事項の表示が義務づけられる。また、診療科名の表記に当たっては、診療内容について客観的評価が可能で分かりやすいものにする必要がある。

以上の点を踏まえ、広告するに当たって通常考えられる診療科名を、以下に例示する。

医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)の広告可能な診療科名

また、複数の事項を組み合わせた通常考えられる診療科名を以下に例示する。

【例:医科】

「血液・腫瘍内科」、「糖尿病・代謝内科」、「小児腫瘍外科」、「老年心療内科」、「老年・呼吸器内科」、「女性乳腺外科」、「移植・内視鏡外科」、「消化器・移植外科」、「ペインクリニック・整形外科」、「脳・血管外科」、「頭頸部・耳鼻いんこう科」、「肝臓・胆のう・膵臓外科」、「大腸・肛門外科」、「消化器内科(内視鏡)」、「腎臓内科(人工透析)」、「腫瘍内科(疼痛緩和)」、「腎臓外科(臓器移植)」、「美容皮膚科(漢方)」など

【例:歯科】

「小児矯正歯科」など

なお、組み合わせに当たり、(a)から(d)までに掲げる事項のうち、異なる区分に属する事項であれば、複数の事項を組み合わせることが可能である。

一方、同じ区分に属する事項同士を複数繋げることについては、不適切な意味となるおそれがあることから、認められない。同じ区分に属する事項を複数組み合わせる場合については、同じ区分に属する事項を繋げることによって一つの名称にならないよう、例えば「老人・小児内科」というように、それぞれの事項を区切る等の工夫をして組み合わせる必要がある。

(ⅱ)  従来から広告可能とされてきた診療科名との関係

医療法施行令の一部を改正する政令(平成 20 年政令第 36 号)による改正(以下「平成 20 年改正」という。)以前に広告可能と認められていた診療科名のうち、改正により広告することが認められなくなった以下の診療科名については、看板の書き換え等、広告の変更を行わない限り、引き続き、広告することが認められる。

◎平成 20 年改正により広告することが認められなくなった診療科名

「神経科」、「呼吸器科」、「消化器科」、「胃腸科」、「循環器科」、「皮膚泌尿器科」、「性病科」、「こう門科」、「気管食道科」

(ⅲ)  医療機関が広告する診療科名の数について

患者等による自分の病状等に合ったより適切な医療機関の選択を行うことを支援する観点から、医療機関においては、当該医療機関に勤務する医師又は歯科医師一人に対して主たる診療科名を原則2つ以内とし、診療科名の広告に当たっては、主たる診療科名を大きく表示するなど、他の診療科名と区別して表記することが望ましいものとする。

(ⅳ)  診療科名の組み合わせの表示形式について

医療機関が広告する診療科名の表示形式については、患者等に対し当該医療機関における医療機能が適切に情報提供されるよう、以下に掲げる表示形式を採るよう、配慮することが必要である。

① 「○○△△科」と組み合わせて表示する場合

表示例:「呼吸器内科」「消化器外科」

②  「○○・△△科」と組み合わせて表示する場合

表示例:「肝臓・消化器外科」「糖尿病・代謝内科」

③「○○科(△△)」と組み合わせて表示する場合

表示例:「内科(循環器)」

(ⅴ) 広告することができない診療科名の表示について

法令上根拠のない名称や、組み合わせの診療科名のうち、診療内容が明瞭でないものや、医学的知見・社会通念に照らし、不適切な組み合わせである名称については、患者等に対して適切な受診機会を喪失させることに繋がるとともに、不適切な医療を提供するおそれがあることから、これらを診療科名とすることは認められず、医療機関が当該不適切な診療科名を広告することは、法に規定する罰則をもって禁止されているところである。

不適切な診療科名とは、具体的には以下のとおりである。

①  不適切な組み合わせとして認められない診療科名については、省令に具体的に規定している(省令第1条の9の4参照)。

医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)の不適切な診療科名の組み合わせ1

医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)の不適切な診療科名の組み合わせ2

◎医科に関係する名称

②  その他法令に根拠のない名称については、診療科名として広告することは認められない。具体的には、以下に例示する名称は診療科名として認められない。

「呼吸器科」、「循環器科」、「消化器科」、「女性科」、「老年科」、「化学療法科」、「疼痛緩和科」、「ペインクリニック科」、「糖尿病科」、「性感染症科」など

◎歯科に関係する名称

「インプラント科」、「審美歯科」など

なお、これら法令に根拠のない名称と診療科名とを組み合わせた場合であっても、その広告は認められない。

イ  厚生労働大臣の許可を得た診療科名

① 医業麻酔科

「麻酔科」については、当該診療に従事する医師が厚生労働大臣の許可を得た場合に限り、広告可能とされているものである。

また、法第6条の6第4項の規定により、麻酔科を診療科名として広告するときには、許可を受けた医師の氏名を併せて広告しなければならないとされていることにも留意すること。

(3)  法第6条の5第3項第3号関係

「病院又は診療所の名称、電話番号、所在の場所を表示する事項及び病院又は診療所の管理者の氏名」については、「病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項並びに管理者の氏名」が広告可能であること。

ア  病院又は診療所の名称

病院又は診療所の名称は、正式な名称だけではなく、当該医療機関であることが認識可能な略称や英語名についても、可能であること。

また、当該病院又は診療所のマークや名称が記載された看板の写真についても差し支えないこと。

イ  病院又は診療所の電話番号

病院又は診療所の電話番号には、ファクシミリ番号も含まれるものであること。フリーダイヤルである旨や電話の受付時間等についても、広告告示第4条第 11 号に規定する「患者の受診の便宜を図るためのサービス」に該当することから、広告可能であること。

ウ  病院又は診療所の所在の場所を表示する事項

病院又は診療所の所在の場所を表示する事項には、住所、郵便番号、最寄り駅等からの道順、案内図、地図等が含まれるものであること。

エ  病院又は診療所の管理者の氏名

(4)  法第6条の5第3項第4号関係

「診療日若しくは診療時間又は予約による診療の実施の有無」については、従来より広告可能であった事項であること。

ア  診療日又は診療時間

診療日及び診療時間は患者等に対し、提供するべき情報であるので、可能な限り医療に関する広告においても記載するのが望ましいものであること。「午前宅診・午後往診」との記載、診療日を明示せず休診日を明示すること等は差し支えないこと。

イ  予約による診療の実施の有無

例えば、「平日○○時~○○時予約受付」、「24時間予約受付」等、予約時間を併せて示すことや予約を受け付ける電話番号、ウェブサイトのURL、Eメールアドレス等を示すことも差し支えないこと。

選定療養としての予約診療の場合には、その制度、負担費用等についても、併せて示すことが望ましいこと。

(5)  法第6条の5第3項第5号関係

「法令の規定に基づき一定の医療を担うものとして指定を受けた病院若しくは診療所又は医師若しくは歯科医師である場合には、その旨」については、指定を受けた旨や法令における名称、それらの略称を示すことができるものであること。また、虚偽広告や治療効果等の広告が認められていない事項とならない限り、指定を受けた制度に関する説明を併せて示すことは差し支えないこと。

法令の規定上は「○○医療機関」として指定を受けた病院又は診療所が、「○○病院」又は「○国医師臨床修練指定病院等であ○診療所」と示すこと、指定を受けた医師又は歯科医師の氏名を示すことは差し支えない。

以下に、従来より認められていた事項を中心にして掲げるが、これらは例示であり、ここに掲げられていないものであっても、法令の規定に基づき一定の医療を担うものとして指定を受けた病院若しくは診療所又は医師若しくは歯科医師である場合には、その旨を広告可能であることに留意されたい。

ア  保険医療機関である旨

健康保険法(大正 11 年法律第 70 号)による指定を受けた旨を広告できるものであること。

イ   労災保険指定病院、労災保険指定診療所、労災保険二次健診等給付病院又は労災保険二次健

診等給付診療所である旨

労働者災害補償保険法施行規則(昭和 30 年労働省令第 22 号)による指定を受けた旨を広告できるものであること。

ウ  母体保護法指定医である旨

母体保護法(昭和 23 年法律第 156 号)による指定を受けた旨を広告できるものであること。

エ     臨床研修指定病院、歯科医師臨床研修指定病院又は歯科医師臨床研修指定診療所である旨

医師法又は歯科医師法による指定を受けた旨を広告できるものであること。

オ     身体障害者福祉法指定医である旨

身体障害者福祉法(昭和 24 年法律第 283 号)による指定を受けた旨を広告できるものであること。

カ  精神保健指定医、指定病院又は応急入院指定病院である旨

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和 25 年法律第 123 号)による指定を受けた旨を広告できるものであること。

キ  生活保護法指定医療機関である旨

生活保護法(昭和 25 年法律第 144 号)による指定を受けた旨を広告できるものであること。

ク     指定養育医療機関である旨

母子保健法(昭和 40 年法律第 141 号)による指定を受けた旨を広告できるものであること。

ケ     戦傷病者特別援護法指定医療機関である旨

戦傷病者特別援護法(昭和 38 年法律第 168 号)による指定を受けた旨を広告できるもので

あること。

  • 外国医師臨床修練指定病院等である旨

外国医師等が行う臨床修練に係る医師法第十七条等の特例等に関する法律(昭和 62 年法律第 29 号)による指定を受けた旨を広告できるものであること。

サ    被爆者指定医療機関又は被爆者一般疾病医療機関である旨

原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成6年法律第 117 号)による指定を受けた旨を広告できるものであること。

シ  指定自立支援医療機関である旨

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成 17 年法律第 123 号)による指定を受けた旨を広告できるものであること。

「指定自立支援医療機関(育成医療)」、「指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療)」、「指定自立支援医療機関(精神通院医療)」等のように、指定を受けた内容が育成医療、更生医療又は精神通院医療のいずれであるのかを示す必要があること。ただし、いずれの指定も受けている場合には、単に「指定自立支援医療機関」とすることで差し支えないこと。

ス  特定感染症指定医療機関、第一種感染症指定医療機関、第二種感染症指定医療機関又は結核指定医療機関である旨

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成 10 年法律第 114 号。以下「感染症予防法」という。)による指定を受けた旨を広告できるものであること。

セ  指定居宅サービス事業者、指定介護予防サービス事業者又は指定介護療養型医療施設である旨

介護保険法(平成9年法律第 123 号)による指定を受けた旨を広告できるものであること。

ソ   指定療育機関である旨

児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号)による指定を受けた旨を広告できるものであること。

タ     依存症専門医療機関又は依存症治療拠点機関である旨

「依存症専門医療機関及び依存症治療拠点機関の整備について」(平成 29 年6月 13 日付け障発 0613 第4号)による選定を受けた旨を広告できるものであること。

「依存症専門医療機関(アルコール健康障害)」、「依存症専門医療機関(薬物依存症・ギャンブル等依存症)」等のように、選定基準を受けた内容がアルコール健康障害、薬物依存症 又はギャンブル等依存症のいずれであるのかを示す必要があること。

チ  看護師特定行為研修指定研修機関である旨

保健師助産師看護師法(昭和 23 年法律第 203 号)による指定を受けた旨を広告できるものであること。

(6)  法第6条の5第3項第6号関係

「地域医療連携推進法人(第 70 条の5第1項に規定する地域医療連携推進法人をいう。第 30条の4第 10 項において同じ。)の参加病院等(第 70 条の2第2項第2号に規定する参加病院等をいう。)である場合には、その旨」については、参加する地域医療連携推進法人名や参加している旨について広告可能であること。

また、当該地域医療連携推進法人に参加する病院等の数や名称についても広告可能であること。

(7)  法第6条の5第3項第7号関係

「入院設備の有無、第7条第2項に規定する病床の種別ごとの数、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の従業者の員数その他の当該病院又は診療所における施設、設備又は従業者に関する事項」については、病院又は診療所の構造設備・人員配置に関する事項を示すことができるものであること。

ここでは、病床の種別、病棟又は診療科(広告が可能な診療科名に限る。)等ごとの病床数、人数や配置状況についても広告できるものである。また、医療従事者以外の従業員の人数や配置状況についても示すことができるものであること。

以下に掲げるものは、例示であり、この他にも病院又は診療所の構造設備・人員配置に関する事項については、広告可能であることに留意すること。

ア  病院又は診療所における施設、設備に関する事項

①  施設の概要

敷地面積、建築面積、床面積(述べ床、病棟別、階層別等)、階層数(地上○階、地下○ 階等)、患者や面会者の使用できるエレベーター等の数、設計者・施工者の名称、免震構造や耐震構造である旨、工法、工期、竣工日、病棟配置図、院内案内図その他の病院又は診療所の施設に関することで、客観的な事実として検証可能な事項について、広告が可能であること。

敷地内の写真、建物の外観又は内装を撮影した写真や映像等についても、広告して差し支えないこと。

②  入院設備の有無

病床の種類、病棟、診療科別(広告が可能な診療科名に限る。)等の入院設備の有無も差し支えないこと。

③  病床の種別ごとの数(病床数)又は病室数

病室の種類、病棟、診療科別(広告が可能な診療科名に限る。)等の数を広告しても差し支えないこと。

④  保有する施設設備に関する事項

手術室、集中治療室(ICU)、新生児用集中治療室(NICU)、患者搬送車(ヘリコプターを含む。)等の有無、数又はその面積等について、広告が可能である。

ただし、これらの施設設備については、病院等の事情により、患者を受け入れられない状況も予想されることから、いつでも利用可能と誤認を与えるおそれがある表現は、認められないものとして取り扱うこと。

⑤  病室、機能訓練室、談話室、食堂、浴室又は院内売店その他の設備に関する事項

これらの設備についての有無、数、広さ、空調状況、利用可能時間、費用又は設置年月日等を広告しても差し支えないこと。

なお、当該構造設備で実施される「医療の内容」に関することを広告する場合には、(12) に記載した医療の内容に関して広告可能な事項の範囲に限られるものであることに留意すること。

⑥  障害者等に対する構造上の配慮

バリアフリー構造、院内点字ブロック、点字表示又は音声案内設備等の有無等を広告できるものであり、車椅子利用者、視覚障害者等への配慮をした構造である旨を示すことも差し支えないこと。

⑦  据え置き型の医療機器等の機械器具の配置状況

画像診断装置や放射線治療器等の医療機器又は空気清浄機等の医療機器以外の機械器具の配置状況について、一般的な名称(例えばMRI、CT等)、それらの写真・映像、導入台数又は導入日等について、広告することは可能であること。

ただし、医薬品医療機器等法において、承認又は認証を得ていない医療機器(以下、「未承認医療機器」という。)については、その販売・授与等にかかる広告が禁じられている他、承認又は認証されている医療機器であっても、平成 29 年9月 29 日薬生発第 0929 第4号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知の別紙「医薬品等適正広告基準」により、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告は行わないものとされていることに鑑み、医療機器が特定可能となる販売名や型式番号については、広告は行わないものとすること。

なお、医療機器の使用に関することを広告する際には、(12)に記載した医療の内容に関して広告可能な事項の範囲に限られるものであることに留意すること。

イ  病院又は診療所の従業者の人員配置

従業者の人数、患者数に対する配置割合等を広告可能であること。性別や職種別、病床、病棟又は診療科(広告が可能な診療科名に限る。)等ごとの人数や配置状況についても、広告して差し支えないこと。医療従事者以外の従業員の人数や配置状況についても示すことができるものであること。

ただし、人数や配置割合については、時期によって変動する数値であることから、いつの時点での数値であるのかを歴月単位で併記すること。また、広告された内容(従業員数又は患者数に対する配置割合等)の正否が容易に検証できるようその広告された数値について、ウェブサイトや年報等の住民に周知できる方法により公表しておくこと。

さらに、広告したこれら従業員の人数や配置状況について、広告した時点での数値と現在の実態に大きな乖離が認められることがないよう、広告に示す数値は適宜、少なくとも年に1度は更新すること。

なお、従業員の氏名、年齢、性別、役職又は略歴という人物に関する事項は、医療従事者については法第6条の5第3項第8号、その他の従業員については、広告告示第4条第5号に規定されており、広告可能であること。((8)、(14)参照)

(8)  法第6条の5第3項第8号関係

「当該病院又は診療所において診療に従事する医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者の氏名、年齢、性別、役職、略歴その他のこれらの者に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの」については、当該病院又は診療所において診療に従事する医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者に関する事項について、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるものについてのみ、限定的に広告可能としているものであること。

広告告示により定められている広告可能な事項は、「当該病院又は診療所において診療に従事する医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者の氏名、年齢、性別、役職及び略歴」(広告告示第1条第1号)及び「次に掲げる研修体制、試験制度その他の事項に関する基準に適合するものとして厚生労働大臣に届け出た団体が行う医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者の専門性に関する認定を受けた旨」(広告告示第1条第2号)である。

ア  当該病院又は診療所において診療に従事する医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者の氏名、年齢、性別、役職及び略歴

①  医療従事者の範囲について

氏名、年制、性別等が広告可能となる医療従事者とは、法律により厚生労働大臣又は都道府県知事の免許を受けた医療従事者とし、民間資格の取得者、免許を取得していない者又は免許停止の処分を受けている期間中である者については、広告できないものとする。

ここでいう医療従事者の具体的な範囲は、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、義肢装具士、診療放射線技師、臨床検査技師、衛生検査技師、臨床工学技士、歯科衛生士、歯科技工士、救急救命士、管理栄養士及び栄養士とする。

②  当該病院又は診療所において診療に従事する医療従事者の氏名、年齢、性別

非常勤の医療従事者については、常時勤務する者と誤解を与えないよう、非常勤である旨や勤務する日時(例えば、「火曜と木曜の午後」等)を示せば差し支えないものとすること。常時勤務する者以外について、常時勤務している者であるかのように誤認を与える広告については、誇大広告として扱うことが適当であること。

③  当該病院又は診療所において診療に従事する医療従事者の役職

「院長」、「副院長」、「外科部長」、「薬剤部長」、「看護師長」又は「主任」等の当該病院又は診療所における役職を意味するものであり、学会や職能団体等における役職については、次の略歴に含まれるものであること。

④  当該病院又は診療所において診療に従事する医療従事者の略歴

医師又は歯科医師等の医療従事者としての経歴を簡略に示すものとして、生年月日、出身校、学位、免許取得日、勤務した医療機関(診療科(広告が可能な診療科名に限る。)、期間を含む)等について、一連の履歴を総合的に記載したものを想定したものであること。

記載する事項は、社会的な評価を受けている客観的な事実であってその正否について容易に確認できるものであり、専門医や認定医等の資格の取得等は含まれないものとして取り扱うこと。

なお、研修については、研修の実施主体やその内容が様々であり、医療に関する適切な選択に資するものとそうではないものの線引きが困難であることから、広告可能な事項とはされておらず、広告が認められていない事項であることに留意すること。

イ  医療従事者の専門性に関する認定を受けた旨

次に掲げる研修体制、試験制度その他の事項に関する基準に適合するものとして厚生労働大臣に届け出た団体が行う医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者の専門性に関する認定を受けた旨を広告できるものであること。

①  専門性資格

a 広告告示第1条第2号イからリに掲げる基準を満たす団体が厚生労働大臣に届出を行った場合は、当該団体が認定するいわゆる専門医等の資格を有する旨を広告しても差し支えないこと。

b  専門性に関する認定を受けた旨を広告可能とする医療従事者の範囲は、法律により厚生労働大臣の免許を受けた医療従事者とし、具体的には、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、義肢装具士、診療放射線技師、臨床検査技師、衛生検査技師、臨床工学技士、歯科衛生士、歯科技工士、救急救命士及び管理栄養士とする。

c 届出の受理の際、広告告示に定める基準の審査に当たっては、専門医等の資格の客観性を担保するため、医学医術に関する団体を始めとする当該医療従事者の専門性に関する職種に関する学術団体等から、意見を聴取することとしていること。

d 専門性の資格の広告が可能であるのは、当該医療機関に常時従事する医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者についてだけではなく、非常勤の医師等の医療従事者についても広告可能とするが、常時勤務する者と誤解を与えないよう、非常勤である旨や勤務する日時を示せば差し支えないものとすること。常時勤務する者以外について、常時勤務している者であるかのように誤認を与える広告については、誇大広告として扱うことが適当であること。

e 厚生労働大臣が届出を受理した場合には、厚生労働省は、当該団体名及び当該団体が認定する専門性の資格名の一覧を各都道府県あてに通知するとともに、厚生労働省ホームページ(www.mhlw.go.jp )により公表することとするので、個別の広告が広告規制に抵触するか否かを判断する際の参考にされたいこと。

f 実際の広告の形態は、主に次に示すようなものを想定しており、専門性の認定を行った団体を明記すること。

【具体例】

  • 医師○○○○(○○学会認定○○専門医)
  • 薬剤師○○○○(○○学会認定○○専門薬剤師)

専門性の資格は、各関係学術団体が認定するものであるので、例えば、「厚生労働省認定○○専門医」等は虚偽広告として扱い、単に「○○専門医」との標記も誤解を与えるものとして、誇大広告に該当するものとして指導等を行うこと。

g 団体による厚生労働大臣への届出は、別添1の申請書により必要な添付書類を添えて、医政局総務課に提出を行うこととすること。

②  専門性資格を認定する団体の基準

a  広告告示第1条第2号イ関係

法人格の種類については、民法(明治 29 年法律第 89 号)第 34 条に規定する社団法人

又は財団法人に限るという趣旨ではなく、特定非営利活動促進法(平成 10 年法律第7号)に基づく特定非営利活動法人等であっても差し支えないこと。

b  広告告示第1条第2号ロ関係

専門性資格を認定する団体の会員数の算定に際しては、当該団体が定める正会員に限る取扱いとし、準会員、賛助会員等は含めないこと。また、会員数の8割以上が認定に係る医療従事者でなければならないこと。

c  広告告示第1条第2号ハ関係

「一定の活動実績」は、5年相当の活動実績として取り扱うこと。また、その内容の公表については、ウェブサイト、年報等広く国民に周知できる方法によって行わなければならないこと。

d  広告告示第1条第2号ニ関係

外部から当該団体が認定した専門性資格に関する問い合わせを行う場合の連絡先が明示されており、かつ、問い合わせに明確に対応できる担当者(兼任でも可)を置く等の事務局体制が確保されていること。

e  広告告示第1条第2号ホ関係

資格の取得要件の公表については、ウェブサイト、年報等広く国民に周知できる方法によって行わなければならないこと。

f  広告告示第1条第2号ヘ関係

医師、歯科医師又は薬剤師については5年間、看護師その他の医療従事者については3年間の研修を実施することとされているが、すべての期間の研修について、必ずしも専門性資格の認定を行う団体自らが行う必要はないこと。外部の研修を利用する場合は、当該団体自らが行う研修と外部の研修とが有機的に連携されたものとなるように配慮されたものである必要があること。

g  広告告示第1条第2号ト関係

資格の認定は、当該医療従事者の専門性を判断するのに十分な内容及び水準の公正な試験により実施されている必要があること。

h  広告告示第1条第2号チ関係

認定を受けた医療従事者の専門性を担保するため、専門性資格の認定を行った医療従事者に対し、原則として少なくとも5年に1度は当該資格を更新しなければならないこととすること。また、更新の際には、適宜、その専門性を確認できるよう努めること。

i  広告告示第1条第2号リ関係

当該団体の会員名簿(氏名のみが掲載されているもので可。)及び専門性の資格認定を受けた者の名簿(氏名のみが掲載されているもので可。)の双方が、ウェブサイト、年報等広く国民に周知できる方法により公表されていること。

(9)  法第6条の5第3項第9号関係

「患者又はその家族からの医療に関する相談に応ずるための措置、医療の安全を確保するための措置、個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他の当該病院又は診療所の管理又は運営に関する事項」については、病院又は診療所の管理又は運営に関することを広告できるものであること。

以下に掲げるものは、例示であり、この他にも病院又は診療所の管理又は運営に関する事項については、客観性・正確性を確保し得る事項であれば、広告可能であることに留意すること。

ア    休日又は夜間における診療の実施

休日又は夜間における診療の受付又は問い合わせのための電話番号等の連絡先を併せて示しても差し支えないこと。

イ  診療録を電子化している旨

いわゆる電子カルテ(診療情報を電子化し保存更新するシステム)を導入している旨を広告できるものであること。

ウ  セカンドオピニオンの実施に関すること

診療に関して、他の医師又は歯科医師の意見を求めるいわゆるセカンドオピニオンについて、その内容について説明し、患者が希望したときの受入れ又は患者に対する他の医師又は歯科医師の紹介などの協力体制を取っているかについて、広告できるものであること。費用や予約の受付に関することについても広告して差し支えないこと。

エ  当該医療機関内に患者からの相談に適切に応じる体制を確保している旨

医療機関内に患者相談窓口及び担当者(兼任でも可)を設け、患者、家族等からの苦情、相談に応じられる体制を確保していることを意味するものであること。

オ  当該医療機関内での症例検討会を開催している旨

症例検討会については、定期的に実施しているものであり、医療機関内のスタッフが可能な限り参画したものである必要があること。臨床病理検討会の開催の有無、予後不良症例に関する院内検討体制の有無についてや、それらの開催頻度や構成メンバー等についても広告可能であるが、その内容については、広告可能な治療の内容を逸脱してはならないこと。

カ  医療の安全を確保するための措置

当該医療機関内での医療の安全を確保するための措置として、安全管理のための指針の整備、安全管理のための医療事故等の院内報告制度の整備、安全管理のための委員会の開催、安全管理のための職員研修の開催等について、それらを実施している旨や開催頻度等について広告が可能であること。院内感染の防止に関することも広告して差し支えないこと。

なお、「医療の安全を保障します」や「万全の安全管理体制」等の広告は、客観的な事実として評価ができない表現であるため、誇大広告であり認められないこと。

キ  個人情報の適正な取扱いを確保するための措置

当該医療機関での個人情報の保護ポリシー、個人情報の保護に関する従業者に対する教育訓練の実施状況、漏えい防止のためのソフトウェアを導入している旨等について、広告可能であること。

ク  平均待ち時間

前年度等の実績から、外来患者の受付から診療を始めるまでの待ち時間について、診療科別(広告が可能な診療科名に限る。)や曜日別等に広告可能であること。

広告した平均待ち時間と実際の待ち時間に乖離が生じないように、広告する平均待ち時間については、適宜更新すること。

ケ  開設日、診療科別の診療開始日

当該医療機関の開設日や診療科別(広告が可能な診療科名に限る。)の診療開始日について広告可能であること。

(10) 法第6条の5第3項第 10 号関係

「紹介をすることができる他の病院若しくは診療所又はその他の保健医療サービス若しくは福祉サービスを提供する者の名称、これらの者と当該病院又は診療所との間における施設、設備又は器具の共同利用の状況その他の当該病院又は診療所と保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に関する事項」については、紹介可能な他の医療機関や保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者の名称、共同で利用する設備又は医療機器等の他の医療機関や介護保険サービス事業者等との連携に関することを広告できるものであること。

ア  紹介可能な他の病院又は診療所の名称

名称の他に所在地や連絡先等を併せて示すことも差し支えないこと。また、網羅的に列挙する必要はないこと。

イ  紹介可能な保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者の名称

紹介可能な他の指定居宅サービス事業者、介護老人保健施設等の介護保険サービス事業者等の名称について、広告できるものであること。当該事業者の事務所や施設の所在地や連絡先等を併せて示すことも差し支えないこと。

ウ  共同利用をすることができる医療機器に関する事項

他の医療機関の医療機器を共同利用している医療機関において、共同利用を行っている旨として、利用できる医療機関名、当該医療機器の一般的名称、その写真等を広告できるものであること。共同利用をしている医療機器を設置している医療機関においても、同様の広告が可能であること。

ただし、医薬品医療機器等法の広告規制の趣旨に鑑み、承認又は認証を得た医療機器に限定するとともに、販売名や販売名が特定される型番は広告しないこととすること。また、医薬品医療機器等法上の承認又は認証の範囲を逸脱する使用法や診断率、治癒率、施術後の生存率等の治療の効果に関する事項は、広告可能な事項とはされておらず、広告が認められないことに留意すること。

エ  紹介率又は逆紹介率

他の医療機関との連携に関する事項として、紹介率又は逆紹介率についても、広告して差し支えないこととするが、広告された内容(紹介率又は逆紹介率)の正否が容易に検証できるよう、算定式と算定に使用した患者数等について、ウェブサイト、年報等広く住民に周知できる方法により公表されていること。算定式は、別に示されている地域医療支援病院の紹介率等の算定式を活用することを基本とするが、特定機能病院においては省令に規定された算定式によることとすること。

(11) 法第6条の5第3項第 11 号関係

「診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報の提供、第6条の4条第3項に規定する書面の交付その他の当該病院又は診療所における医療に関する情報の提供に関する事項」については、医療に関する情報提供に関して、その内容、提供方法又は実績等について、広告できるものであること。

ア  ウェブサイトのアドレス、電子メールアドレス

情報伝達手段として、ウェブサイトのアドレス(URL)や電子メールアドレスについて、広告可能であること。QRコードによる広告も差し支えないこと。

イ  入院診療計画書の提供

病名、症状、推定される入院期間、予定される検査及び手術の内容並びにその日程、その他入院に関し必要な事項が記載された総合的な診療計画(地域連携クリティカルパスを含む。)を提供する旨や提供方法等を広告可能であること。

ウ  退院療養計画書の提供

患者の退院時に、退院後の療養に必要な保健医療サービス又は福祉サービスに関する事項を記載した療養計画書(地域連携クリティカルパスを含む。)を提供する旨や提供方法等を広告可能であること。

エ  診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報の提供

診療録その他の諸記録に係る情報について、その開示等の手続きに関する事項、相談窓口の連絡先、提供の実績等を広告可能であること。

(12) 法第6条の5第3項第 12 号関係

「当該病院又は診療所において提供される医療の内容に関する事項(検査、手術その他の治療の方法については、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるものに限る。)」については、「検査、手術その他の治療の方法」に関しては、保険診療等の医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして広告告示で定めた事項に限定して広告可能であるものであり、往診の実施に関すること等その他の医療の内容については、広く広告が可能とされるものであること。

ア  検査、手術その他の治療の方法

検査、手術その他の治療の方法については、広告告示に定められた以下の①~⑤のいずれかに該当するものについて、広告可能とし、また、診療報酬点数表やその関連通知で使用された表現に加え、患者等の情報の受け手側の理解が得られるよう、分かりやすい表現を使用したり、その説明を加えることも可能なこと。

ただし、医薬品医療機器等法の広告規制の趣旨から、医薬品又は医療機器の販売名(販売名が特定可能な場合には、型式番号等を含む。)については、広告しないこととすること。

なお、治療の方針についても、成功率、治癒率等の治療効果等を説明することなく、広告可能な事項の範囲であれば、広告として記載しても差し支えないこと。

【具体例】

  • 術中迅速診断を行い、可能な限り温存手術を行います。
  • 手術療法の他に、いくつかの薬物療法の適用があるので、それぞれのメリット・デメリットを御説明し、話し合いの下で治療方針を決定するようにしております。

①  保険診療(広告告示第2条第1号関係)

「診療報酬の算定方法(平成 20 年厚生労働省告示第 59 号)に規定する検査、手術その他の治療の方法」とは、保険診療として実施している治療の方法として、診療報酬点数表に規定する療養の実施上認められた手術、処置等について広告可能であること。

なお、広告する治療方法について、不当に患者を誘引することを避けるため、疾病等が完全に治療される旨等その効果を推測的に述べることは認められないこと。

【具体例】

  • PET検査による癌の検査を実施しております。
  • 白内障の日帰り手術実施。
  • 日曜・祝日も専用の透析室で、人工透析を行っております。
  • インターフェロンによるC型肝炎治療を行います。

②  評価療養、患者申出療養及び選定療養(広告告示第2条第2号関係)

「厚生労働大臣の定める評価療養、患者申出療養及び選定療養(平成 18 年厚生労働省告示第 495 号)に規定する検査、手術その他の治療の方法」とは、当該医療機関で実施している評価療養、患者申出療養又は選定療養について、その内容を説明し、広告することが可能であること。これらについては、その内容、制度、負担費用等についても、併せて示すことが望ましいこと。

③  分娩(保険診療に係るものを除く。)(広告告示第2条第3号関係)

「分娩(第1号に係るものを除く。)」とは、分娩を実施している旨を広告可能であること。「出産」や「お産」等の表現についても、差し支えないこと。帝王切開の実施については、①の保険診療での医療の内容として広告可能であること。

また、分娩のための費用、出産育児一時金受領委任払いの説明等についても、広告可能であること。

④  自由診療のうち、保険診療又は評価療養、患者申出療養若しくは選定療養と同一の検査、手術その他の治療の方法(広告告示第2条第4号関係)

医療保険各法等の給付の対象とならない検査、手術その他の治療の方法のうち、第1号又は第2号の方法と同様の検査、手術その他の治療の方法(ただし、医療保険各法等の給付の対象とならない旨及び標準的な費用を併記する場合に限る。)」とは、美容等の目的であるため、公的医療保険が適用されない医療の内容であるが、その手技等は、保険診療又は評価療養若しくは選定療養と同一である自由診療について、その検査、手術その他治療の方法を広告可能であること。

ただし、公的医療保険が適用されない旨(例えば、「全額自己負担」、「保険証は使えません」、「自由診療」等)及び標準的な費用を併記する場合に限って広告が可能であること。ここでいう標準的な費用については、一定の幅(例えば、「5万~5万5千円」等)や「約○円程度」として示すことも差し支えないが、実際に窓口で負担することになる標準的な費用が容易に分かるように示す必要があること。別に麻酔管理料や指導料等がかかる場合には、それらを含めた総額の目安についても、分かりやすいように記載すること。

また、当該治療の方法に、併用されることが通常想定される他の治療の方法がある場合は、それらを含めた総額の目安についても、分かりやすいように記載すること。

【具体例】

  • 顔のしみ取り
  • イボ、ホクロの除去
  • 歯列矯正

⑤  自由診療のうち医薬品医療機器等法の承認又は認証を得た医薬品又は医療機器を用いる検査、手術その他の治療の方法(広告告示第2条第5号関係)

「医療保険各法等の給付の対象とならない検査、手術その他の治療の方法のうち、医薬品医療機器等法に基づく承認若しくは認証を受けた医薬品又は医療機器を用いる検査、手術その他の治療の方法(ただし、医療保険各法等の給付の対象とならない旨及び標準的な費用を併記する場合に限る。)」とは、公的医療保険が適用されていない検査、手術その他の治療の方法であるが、医薬品医療機器等法の承認又は認証を得た医薬品又は医療機器をその承認等の範囲で使用する治療の内容については、広告可能であること。

ただし、公的医療保険が適用されない旨(例えば、「全額自己負担」、「保険証は使えません」、「自由診療」等)及び標準的な費用を併記する場合に限って広告が可能であること。ここでいう標準的な費用については、一定の幅(例えば、「10万~12万円」等)や「約○円程度」として示すことも差し支えないが、実際に窓口で負担することになる標準的な費用が容易に分かるように示す必要があること。別に麻酔管理料や服薬指導料等がかかる場合には、それらを含めた総額の目安についても、分かりやすいように記載すること。

また、医薬品医療機器等法の広告規制の趣旨から、医薬品又は医療機器の販売名(販売名が特定可能な場合には、型式番号等を含む。)については、広告しないこととすること。医師等による個人輸入により入手した医薬品又は医療機器を使用する場合には、仮に同一の成分や性能を有する医薬品等が承認されている場合であっても、広告は認められないこと。

また、当該治療の方法に、併用されることが通常想定される他の治療の方法がある場合は、それらを含めた総額の目安についても、分かりやすいように記載すること。

【具体例】

  • 内服の医薬品によるED治療
  • 眼科用レーザ角膜手術装置の使用による近視手術の実施

イ  提供される医療の内容(アの検査、手術その他の治療の方法を除く。)

①  法令や国の事業による医療の給付を行っている旨

法令や国の通達による事業による医療の給付を行っている旨として、「小児慢性特定疾患治療研究事業」、「特定疾患治療研究事業」等による医療の給付を行っている旨を広告できること。

②  基準を満たす保険医療機関として届け出た旨

診療報酬上の各種施設基準を満たす保険医療機関として地方社会保険事務所又は都道府県知事に届出をした場合、各基準に適合している旨、当該基準の内容や届出日等を広告できること。

③  往診の実施

往診を実施している旨を広告可能であり、「訪問診療の実施」等の表現も差し支えないものであること。往診に応じる医師名、対応する時間、訪問可能な地域等についても広告可能であること。

④  在宅医療の実施

訪問看護ステーションを設置している場合には、その旨を付記して差し支えないこと。

「在宅自己注射指導の実施」、「在宅酸素療法指導の実施」等についても、アに示している広告可能な治療の内容であれば、広告可能であること。

(13) 法第6条の5第3項第 13 号関係

「当該病院又は診療所における患者の平均的な入院日数、平均的な外来患者又は入院患者の数その他の医療の提供の結果に関する事項であつて医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして厚生労働大臣が定めるもの」については、医療の提供の結果に関する事項は、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして広告告示に規定された平均的な入院日数等に限り、広告が可能であること。

死亡率や治癒率等については、対象となった患者の状態等による影響も大きく、適切な選択に資する情報であるとの評価がなされている段階にはないことから、医療機能情報提供制度において報告が義務付けられた事項についてのみ、広告が可能であること。

ア  当該病院又は診療所で行われた手術の件数(広告告示第3条第1号関係)

手術件数については、治療の内容として広告可能な範囲の手術の件数とし、以下に掲げるものに限られるものとすること。

①  診療報酬点数表で認められた手術(自由診療として実施する場合を含む。)

②  先進医療として届出された手術(自由診療として実施する場合を含む。)

③  医薬品医療機器等法の承認又は認証を得た医療機器を使用し、承認又は認証された範囲で実施された手術

手術件数を広告する際には、当該手術件数に係る期間を暦月単位で併記する必要があること。

また、広告された内容(手術件数)の正否が容易に検証できるようその広告された手術件数について、ウェブサイト、年報等広く住民に周知できる方法により公表されていること。

イ  当該病院又は診療所で行われた分娩の件数(広告告示第3条第2号関係)

分娩件数を広告する際には、当該分娩件数に係る期間を暦月単位で併記すること。

また、広告された内容(分娩件数)の正否が容易に検証できるようその広告された分娩件数について、ウェブサイト、年報等広く住民に周知できる方法により公表されていること。

ウ  患者の平均的な入院日数(広告告示第3条第3号関係)

患者の平均的な入院日数は、次に掲げる計算式により計算すること。広告する際には、当該平均在院日数に係る期間を暦月単位で併記すること。

また、広告された内容(平均在院日数)の正否が容易に検証できるよう、その広告された平均在院日数について、ウェブサイト、年報等広く住民に周知できる方法により公表されていること。当該医療機関全体、病床区分、病棟、診療科(広告が可能な診療科名に限る。)、疾病ごとの平均在院日数を広告することも差し支えないこと。

医療広告ガイドラインの入院患者計算式1

ただし、病床区分等ごとに計算する場合の平均在院日数にあっては、

医療広告ガイドラインの入院患者計算式2

エ 在宅患者、外来患者及び入院患者の数(広告告示第3条第4号関係)

在宅患者、外来患者又は入院患者の数を広告する際には、当該患者数に係る期間を暦月単位で併記するとともに、広告された内容(患者数)の正否が容易に検証できるようその広告された患者数について、ウェブサイト、年報等広く住民に周知できる方法により公表されていること。

また、疾患別に広告することも可能であるが、正確な管理記録により、正確な数値であることを事後検証可能な場合に限ること。

オ  平均的な在宅患者、外来患者及び入院患者の数(広告告示第3条第5号関係)

エ  の患者の実数と同様に、月別等の在宅患者、外来患者又は入院患者の平均数を広告する

際には、当該患者数に係る期間を暦月単位で併記するとともに、広告された内容(平均患者数)の正否が容易に検証できるようその広告された患者数について、ウェブサイト、年報等広く住民に周知できる方法により公表されていること。

また、疾患別に広告することも可能であるが、正確な管理記録により、正確な数値であることを事後検証可能な場合に限ること。

カ  平均病床利用率(広告告示第3条第6号関係)

平均病床利用率は、次に掲げる計算式により計算すること。

医療広告ガイドラインの入院患者計算式3

また、平均病床利用率を広告する際には、当該平均病床利用率に係る期間を暦月単位で併記するとともに、広告された内容が容易に検証できるよう、ウェブサイト、年報等広く住民に周知できる方法により公表されていること。

なお、当該医療機関全体、病床区分、病棟、診療科(広告が可能な診療科名に限る。)、疾病ごとの平均病床利用率を広告可能であること。

1日平均在院患者数

算定に係る期間の末日の病床数

キ  厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法(平成 20 年厚生労働省告示第 93 号)に基づく機能評価係数Ⅱにおいて公表した場合に評価される病院情報

厚生労働省保険局医療課が定める条件等に従って集計した事項を同課が定める手順に従う場合に限り広告可能であること。

ク  治療結果に関する分析を行っている旨及び当該分析の結果を提供している旨(広告告示第3条第7号関係)

治療結果に関する分析を行っている旨又は当該分析の結果を提供している旨については、その検討をする検討会の開催頻度や構成メンバー、分析結果を入手法等についても広告可能であるが、当該分析の結果そのものについては、広告が認められていないことに留意すること。

ケ  セカンドオピニオンの実績(広告告示第3条第8号関係)

いわゆるセカンドオピニオンの実績として、他の医療機関に紹介した患者数及び他の医療機関から紹介を受けた患者数を当該患者数に係る期間を示した上で、広告可能であること。

*  患者満足度調査を実施している旨及び当該調査の結果を提供している旨(広告告示第3条第9号関係)

患者満足度調査を実施している旨、当該調査の結果を提供している旨又は当該調査の結果の入手方法等については広告可能であるが、当該調査の結果そのものについては、広告が認められていないことに留意すること。

(14) 法第6条の5第3項第 14 号関係

「その他前各号に掲げる事項に準ずるものとして厚生労働大臣が定める事項」については、法第6条の5第1項第1号から第 12 号に掲げられた事項に準じるものとして厚生労働大臣が広告告示第4条各号で定めたものを広告できるものであること。

ア  広告告示第4条第1号~第3号関係

「健康保険病院、健康保険診療所、社会保険病院又は社会保険診療所である旨」(第1号)、「船員保険病院又は船員保険診療所である旨」(第2号)、「国民健康保険病院又は国民健康保険診療所である旨」(第3号)については、それぞれの各号に掲げる医療機関である旨を広告可能であること。

イ  広告告示第4条第4号関係

「法令の規定又は国の定める事業を実施する病院又は診療所である旨」については、救急病院、休日夜間急患センター、第二次救急医療機関、エイズ治療拠点病院、災害拠点病院、へき地医療拠点病院、総合周産期母子医療センター又はがん診療連携拠点病院等、法令又は国の通達に基づく(それらに基づいて都道府県等の地方自治体が認定等をする場合も含む。)一定の医療を担う病院又は診療所である旨を広告できるものであること。

当該制度の概要や認定を受けた年月日等についても、広告して差し支えないこと。

ウ  広告告示第4条第5号関係

「当該病院又は診療所における第1条第1号の医療従事者以外の従業者の氏名、年齢、性別、役職及び略歴」については、医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者以外の従業員の氏名、年齢、役職又は略歴の広告を可能とするものである。

役職については、「事務長」又は「主任」等の当該病院又は診療所における役職を意味するものであること。

また、略歴については、経歴を簡略に示すものとして、生年月日、出身校、学位、免許取得日、勤務実績等について、一連の履歴を総合的に記載したものを想定したものであること。

エ  広告告示第4条第6号関係

「健康診査の実施」については、医師等が診断・治療を目的とした通常の診療とは別に、その有する医学的知識を用いて健康診査を行うことを意味するものであり、また、実施する健康診査の種類を併せて示しても差し支えないものであること。

「乳幼児健診」、「胃がん検診」、「肝炎ウイルス検診」等、対象者や部位を付記することも差し支えないものであること。「人間ドック」という表現や通常要する期間を併せて示すこと(例:「一日総合健康診査」、「半日人間ドック」等)も広告して差し支えないこと。

ただし、広告可能な健康診査については、感染症予防法、労働安全衛生法(昭和 47 年法律第 57 号)等に基づく健康診断、高齢者の医療の確保に関する法律に基づく医療等以外の保健事業としての健康診査、保険者からの委託に基づく健康診断等の公的な健康診査としても実施されているものとし、「遺伝子検査」、「アンチエイジングドック」等、現時点で医学的・社会的に様々な意見があり、広く定着していると認められないものについては、広告対象としては認められないものであること。

健康診査の実施に関し、その実施日又は実施時間については、当該病院又は診療所の診療日又は診療時間に含まれるものであり、広告しても差し支えないこと。費用、取り扱う人数、宿泊の有無等についても、広告して差し支えないこと。

オ  広告告示第4条第7号関係

「保健指導又は健康相談の実施」については、主として予防的なものであって、医師等が診断・治療を目的とした通常の診療とは別に、その有する医学的知識を用いて相談者に対し健康の保持増進のための日常生活上の指導等を行うことを意味するものであり、「がんに関する健康相談」、「生活習慣病に関する健康相談」、「歯の健康相談」、「乳幼児保健指導」、「禁煙指導」等、対象者や指導対象を付記することも差し支えないものであること。

ただし、現時点で医学的・社会的に様々な意見があり、広く定着していると認められないものについては、広告対象としては認められないものであること。

保健指導又は健康相談の実施日時や実施する医師の氏名、費用等についても広告して差し支えないものであること。

カ  広告告示第4条第8号関係

「予防接種の実施」については、対象となる予防接種の種別は、予防接種法(昭和23年法律第68号)において規定されているもの又は医薬品医療機器等法において承認されているワクチンを使用した予防接種のみを広告の対象とするものであること。接種を勧める対象者、接種するべき回数、1回当たりの費用等についても、併せて広告することは差し支えないが、ワクチンの商品名は広告しないこと。

なお、「予防接種の実施」が広告可能とされる事項であり、ワクチンの発症予防率等、その効果に関する事項は広告可能な事項ではなく、例えば「インフルエンザの予防接種実施」や「麻しんワクチン(はしかを予防するための注射です)を取り扱ってます」等の予防接種を実施している旨を除いて、その効果に関する広告は認められないことに留意すること。

キ  広告告示第4条第9号関係

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第 17 項に規定する治験に関する事項」については、治験を実施している旨、治験実施者の名称、当該治験薬の対象となる疾患名及び治験を実施する医療機関名等を広告し得るものである。

また、当該治験薬の名称として、一般的名称(成分名)又は開発コードについては、治験に関する情報提供の推進の観点から、広告しても差し支えないこと。ただし、医薬品医療機器等法で未承認医薬品の広告を禁じられている趣旨を踏まえ、治験の対象となる疾患名を除いた具体的な治療効果に関すること又は国内外での販売名(商品名)については、医療に関する広告としても、認められないこと。

ク  広告告示第4条第 10 号関係

「介護保険法(平成9年法律第 123 号)に基づく介護サービスを提供するための事業所若しくは施設又は法第 42 条第1項各号(第3号を除く。)に掲げる業務(以下この号において「医療法人の付帯業務」という。)を専ら行うための施設であり、かつ、病院又は診療所の同一敷地内に併設されているものの名称及び提供する介護サービス又は医療法人の付帯業務」については、医療機関と同一敷地内にある介護老人保健施設等の介護保険サービス事業者の名称及び提供される介護サービス又は医療法人の付帯業務について、広告可能であること。

ケ  広告告示第4条第 11 号関係

「患者の受診の便宜を図るためのサービス」については、以下に例示として掲げる事項のほか、外来患者の受診のための便宜又は入院患者のための便宜を図るためのサービスに関することを広告して差し支えないものであること。

①  費用の支払方法又は領収に関する事項

費用の支払方法に関する事項として、クレジットカードの使用の可否、使用可能なクレジットカードの種類、分割払いの可否等を広告可能であること。また、費用の領収に関する事項として、費用の内訳の明細に関する事項を示すことも差し支えないこと。

②  入院患者に対して当該医療機関が提供するサービス(医療の内容に関するものを除く。) 及びそれらに要する費用

貸しテレビの一時間当たりの値段、インターネットへの接続環境やその費用等を広告可能であること。

③  対応することができる言語

手話又は点字を含む対応可能な言語について、広告し得るものであること。また、当該言語による対応が可能な時間帯、診療科名(広告が可能な診療科名に限る。)等を併記することは差し支えないこと。

④  当該医療機関の施設内に設置された店舗等

病院又は診療所内の売店、食堂、花屋、喫茶店、床屋、一時保育所等について、これらの種別及びその名称を広告しても差し支えないこと。ただし、当該医療機関の外部にあるものは広告してはならないこと。

⑤  駐車設備に関する事項

駐車設備の有無、駐車設備の位置、収容可能台数及び利用に当たって料金を徴収している場合には当該駐車料金等について広告可能であること。

⑥  送迎サービス

最寄りの鉄道の駅等からの送迎サービスについて、送迎先の駅名、時間等を広告可能であること。

⑦  携帯電話の使用に関する事項

病院又は医療機関内での携帯電話の使用について、使用可能な場所や時間帯等について広告可能であること。

⑧  通訳の配置

手話を含めた通訳の配置に関することを対応時間や費用を含めて広告可能であること。

コ 広告告示第4条第 12 号関係

「開設者に関する事項」については、開設者の氏名又は名称を広告可能であり、開設者(法人の場合には法人の理事長に限る。)の経歴についても、簡潔に示すものとして、生年月日、出身校、学位、職歴を一連の履歴として総合的に記載する場合には、広告して差し支えないこと。

サ  広告告示第4条第 13 号関係

「外部監査を受けている旨」については、公認会計士又は監査法人の監査を受けていることを広告しても差し支えないこと。なお、広告する場合は、当該監査を受けた年月を併記すること。

シ  広告告示第4条第 14 号関係

「公益財団法人日本医療機能評価機構が行う医療機能評価の結果(個別の審査項目に係るものを含む。)」については、公益財団法人日本医療機能評価機構(以下「評価機構」という。)が行う審査を受けた結果だけでなく、個別具体的な審査項目の結果についても広告しても差し支えないこと。ただし、各医療機関による自己評価調査の項目については、評価機構による評価を受けていないので、広告は認められないこと。

ス  広告告示第4条第 15 号関係

「公益財団法人日本医療機能評価機構が定める産科医療補償制度標準補償約款と同一の産科医療補償約款に基づく補償を実施している旨」については、評価機構を運営組織とする産科医療補償制度に加入していること、当該制度に基づく補償を実施していることを広告できるようにする趣旨であること。この際、評価機構が定めた当該制度のシンボルマークを利用しても差し支えないこと。

【具体例】

  • ○○病院(産科医療補償制度加入機関)
  • 当院は妊婦の方に安心して出産していただけるよう産科医療補償制度に加入しており、もしも重度の脳性麻痺となった赤ちゃんが生まれ、一定の要件を満たしている場合には、所定の補償金をお支払いします。

セ  広告告示第4条第 16 号関係

「公益財団法人日本適合性認定協会の認定を受けた審査登録機関に登録をしている旨」については、いわゆる ISO の認証を取得している旨を広告しても差し支えないこと。認証取得日や審査登録機関の名称等についても広告可能であること。

ソ  広告告示第4条第 17 号関係

「JointCommissionInternational が行う認定を取得している旨(個別の審査項目に係るものを含む。)」については、認証を取得している旨だけでなく、個別具体的な審査項目の結果についても広告しても差し支えないこと。

タ  広告告示第4条第 18 号関係

「前各号に定めるもののほか、都道府県知事の定める事項」については、地方公共団体の単独事業として実施している事業に関する事項等について、都道府県知事が公示することにより、当該都道府県の区域内において広告できる事項とすることができるようにする趣旨であること。

なお、事項を定めるに当たっては、各都道府県における診療に関する学識経験者の団体又は都道府県医療審議会の意見を聴く等の方法により、関係者の合意形成に努めるよう配慮されたいこと。

5  医療に関する内容に該当しない事項

医療に関する広告については、法又は広告告示により広告が可能とされた事項以外の広告が禁じられているが、以下のア~オに示す背景等となる画像や音声等については、通常、医療に関する内容ではないので、特段制限されるものではない。

ただし、風景写真であっても、他の病院の建物である場合やそのような誤認を与える場合、あるいは、芸能人が当該医療機関を推奨することや芸能人が受診をしている旨を表示(音声によるものや暗示を含 む。)することは、医療に関する広告として、規制の対象として取り扱うこと。

ア  背景等となる風景写真やイラスト等

【具体例】町や海の写真、山や森のイラスト等

イ  レイアウトに使用する幾何学模様等

ウ  BGMとして放送される音楽、効果音等

エ    広告制作者の名称、広告の作成日、写真の撮影日等

オ    芸能人や著名人の映像や声等

芸能人や著名人が、医療機関の名称その他の広告可能な事項について説明することは、差し支えない。なお、実際に当該医療機関の患者である場合にも、芸能人等が患者である旨は、広告できない事項で あるので、認められないものとして扱うこと。(第4参照)

第6  相談・指導等の方法について

1  苦情相談窓口の明確化

医療に関する広告は、患者や地域住民等に対する客観的で正確な情報伝達の手段となるよう病院等の広告を実施する者に対する相談支援を行うとともに、虚偽・誇大な広告等により、患者等が適切な医療の受診機会を喪失したり、不適切な医療を受けることのないよう住民からの苦情を受けるための担当係を決めていただき、相談窓口を明確化されたい。

具体的な窓口としては、医療安全支援センターや保健所の医療法担当部署等が想定されるが、各都道府県、保健所設置市又は特別区の判断により、適切な苦情相談の体制を確保し、当該苦情相談の窓口の連絡先については、自治体のウェブサイトや広報誌等を通じて住民に周知するべきである。

病院等の広告を実施する者からの相談窓口と住民等からの苦情相談の窓口は、別々であったり、他の業務との兼任で差し支えないが、実際に病院や広告代理店等を指導する担当者も含めて、相互に情報を共有し、一体的な相談・指導が効果的になされるよう適切な運用に努められたい。

2  消費者行政機関等との連携

医療に関する広告に関する住民からの苦情は、管内を所管する消費生活センター等の消費生活相談窓口に寄せられることもあるので、苦情・相談の状況について、定期的に情報交換する等、消費者行政機関との連携に努め、違反が疑われる広告等に関する情報を入手した際には、必要な措置を講じられたい。

3  景表法等の他法令との対応

景表法は、「商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの」及び「商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの」(景表法第5条)等を規制している。すなわち、法第6条の5第1項の違反となる虚偽広告及び同条第2項第2号の規定による誇大広告等については、それが実際のもの等よりも著しく優良であると示すことにより、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる場合には、同時に景表法に違反する可能性が非常に強いものであり、法及び景表法が有機的に活用され指導等を行うことが重要である。

医薬品医療機器等法においては、「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。」(医薬品医療機器等法第 66 条第1項)、「何人も、第 14 条第1項、第 23 条の2の5第1項若しくは第 23 条の2の 23 第1項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第 14 条第1項 19 条の2第1項、第 23 条の2の5第1項、第 23 条の2の 17 第1項、第 23 条の 25 第1項若しくは第 23 条の 37 第1項の承認又は第 23条の2の 23 第1項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。」(医薬品医療機器等法第 68 条)とされ、医薬品、医療機器等の虚偽・誇大広告、承認前の医薬品等の広告を禁止している。医療に関する広告として、医薬品又は医療機器による診断や治療の方法等を広告する際には、医療行為として医薬品等を使用又は処方する旨であれば、医薬品医療機器等法上の広告規制の対象とはならないが、販売又は無償での授与をする旨が記載された広告であれば、医薬品医療機器等法上の広告規制も受けることとなる。

健康増進法においては、「何人も、食品として販売に供する物に関して広告その他の表示をするときは、健康の保持増進の効果その他内閣府令で定める事項(次条第三項において「健康保持増進効果等」という。)について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。」(健康増進法第 31 条第1項)と規定されている。これらの広告に関する規定は、重畳的に適用され得るものであるので、法第6条の5の規定に違反し、又は違反が疑われる広告等が同時に、関係法令に違反していることが疑われる場合については、違反が疑われる法令の主管課室がそれぞれ連携しながら指導・処分等を行うなど、所要の取組を効果的に行われたい。その際、違反事例に対して、一部の法令のみによる処分とするか、それぞれの法令で処分するかは、事例に応じて考えるべきであるが、他法令に違反するとの理由や他法令に基づく処分を受けるとの理由で、法の広告違反が免責されることはない。他法令にも抵触する広告である場合にも、法又は本指針による必要な指導等を適切に実施されたい。

4  広告指導の体制及び手順

医療に関する広告に対する指導等の措置は、各都道府県、保健所設置市又は特別区において、個別の事例に応じてその実状を踏まえつつ、効果的かつ柔軟に対応すべきものであるが、医療に関する法律及び病院、診療所又は助産所の管理について相当の知識が求められることから、医療監視員の知見を活用して、適切な体制を作る必要がある。

(1)  広告内容の確認

本指針を参考に、医療に関する広告として認められるものであるか等を判断することになるが、広告可能な事項に含まれる表現であるかどうか、あるいは、虚偽・誇大広告等に該当するかどうか等は、常に明確であるとは限らず、実効性のある指導等を行うことは必ずしも容易ではないと考えられる。このため、違法性が疑われる広告等に対する相談や指導に当たっては、

①  まずは、各都道府県等において、法や本指針に抵触しないか否かを確認し、違反していると判断できる広告については、広告を行う者に対して必要な指導等を行う、

② 都道府県等において、広告に該当するか判断できない情報物や違反しているかどうか判別できない広告については、その内容について、別添2の様式により、都道府県等の職員から厚生労働省医政局総務課あてにファクシミリ等によって照会する

という手順を採るようお願いする。

また、法又は本指針に違反していると判断できる広告について、広告を行う者(法人の場合は、主たる事務所)が自らの管下の地域にない場合については、必要があると認める場合は、管内の事業所等に対する立入検査等必要な調査を行った上で、当該広告物及び入手できた広告の内容の根拠に関する資料等を添えて、広告を行う者が存在する地域を所轄する都道府県、保健所設置市又は特別区あてに速やかに報告されるようよろしくお願いする。広告を行う者の所在が不明である場合や海外の事業者等である場合には、厚生労働省医政局総務課あてに報告いただくようお願いする。

(2)  広告違反の指導及び措置

以下に参考として、広告違反の指導及び措置について具体的に記載するが、各都道府県等が個別の事例に応じて、効果的かつ柔軟に対応すべきものであり、以下のような手順に限定されるものではないこと。

ア  行政指導

法又は本指針に違反することが疑われる広告又は違反広告の疑いがある情報物を発見した際には、通常はまず、任意の調査として、当該広告又は情報物に記載された医業を行う医師等又は診療所若しくは病院に対して、説明を求める等により必要な調査を行うこと。

任意の調査又はイに示した報告命令若しくは立入検査により、法又は本指針に違反することを確認した場合、あるいは、明らかに法又は本指針に違反する広告を発見した場合には、当該違反広告については、通常はまず、広告の中止や広告の内容を是正することを行政指導として、医療に関する広告を行っている医師等又は医療機関に求め、さらに必要に応じて違反広告物の回収、廃棄等を指導すること。併せて、必要な場合には、広告代理店、雑誌社、新聞社、放送局等の医師等又は医療機関以外の広告を作成した者や広告を掲載した者に対しても任意での調査や指導を行うこと。

また、法に違反している広告については、必要に応じ、当該違反広告の責任者等に対して、別添3に示す様式を参考とした報告書の徴収、書面による改善指導等の行政指導としての措置を講じること。

イ  報告命令又は立入検査(法第6条の8第1項関係)

法又は本指針に違反することが疑われる広告又は違反広告の疑いがある情報物を発見した際には、アに記載したようにまずは任意の調査を行うこととするが、任意の調査に応じない場合又は任意での説明や提出される書類に疑義がある場合等、必要な場合には法第6条の8第1項の規定に基づき、都道府県知事、保健所設置市の市長又は特別区の区長は、当該広告(違反広告に該当するおそれがあると認められる情報物の流布を含む。以下同じ。)を行った者に対し、必要な報告を命ずること(報告命令)、又は当該広告を行った者の事務所に立ち入り、当該広告に関する文書(広告物そのもの、作成段階の案、契約書、診療録その他の内容が正確であるかを確認するために必要な書類等)その他の物件(施設、構造設備、医療機器等)を検査させること(立入検査)により、調査を実施すること。

ウ  中止命令又は是正命令(法第6条の8第2項関係)

アに示したように、広告違反を発見した場合には、通常はまず、行政指導により広告の中止や内容の是正を求めることとなるが、行政指導に従わない場合や違反を繰り返す等の悪質な事例の場合には、法第6条の8第2項の規定に基づき当該違反広告を行った者に対し、期限を定めて、当該広告を中止し、又はその内容を是正すべき旨を命ずること。

なお、不利益処分たる中止命令又は是正命令については、その実施に先立ち、行政手続法(平成5年法律第 88 号)第 13 条に規定する弁明の機会を付与しなければならないことに留意されたい。(行政手続法第 29 条から第 31 条参照)

エ 告発

①  直接罰の適用される虚偽広告(法第6条の5第1項違反)を行った者が中止若しくは内容の是正の行政指導に応じない場合

②  法第6条の8第1項による報告命令に対して、報告を怠り、若しくは虚偽の報告をした場合

③  同項による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合

④  同条第2項による中止命令若しくは是正命令に従わず、違反広告が是正されない場合

には、刑事訴訟法(昭和 23 年法律第 131 号)第 239 条第2項の規定により、司法警察員に対して書面により告発を行うことを考慮すべきである。

なお、罰則については、①の虚偽広告、法第6条の6第4項に違反する場合(麻酔科の診療科名を広告する際に、併せて許可を受けた医師の氏名を併せて広告しなかった場合)又は④の中止命令若しくは是正命令に従わなかった場合には、6月以下の懲役又は 30 万円以下の罰金(法第 87 条第1号)、②の報告命令又は③の立入検査に対する違反の場合には、20 万円以下の罰金(法第 89 条第2号)が適用される。

オ  行政処分(法第 28 条、第 29 条関係)

病院又は診療所が悪質な違反広告を行った場合には、エに示した告発のほか、行政処分として、必要に応じ法第 28 条の規定に基づく管理者変更命令又は法第 29 条第1項第4号に該当するとして、同項の規定による病院又は診療所の開設の許可の取り消し、又は開設者に対し、期間を定めて、その閉鎖を命ずることが可能であるので、行政処分の実施を考慮すべきである。

(3)  命令等の対象者

法第6条の8第1項の規定による報告命令又は同条第2項の規定による中止命令若しくは是正命令の対象者は、違反広告の実施者が、個人である場合には当該個人であるが、病院又は診療所の場合には、その開設者又は管理者とし、広告代理店、雑誌社、新聞社、放送局等の場合には、その代表者あてとすること。

告発については、それらの者に加え、法人自体又は当該広告違反の主導的な立場にあった者等を事例に応じて対象とすること。

(4)  公表

行政指導に従わず中止命令若しくは是正命令又は刑事告発等を実施した際には、原則として、事例を公表することにより、患者や住民等に対して当該違反広告に対する注意喚起を行うこと。

第7  助産師の業務又は助産所に関する広告について

法第6条の7の規定により、助産師の業務又は助産所に関しても、広告は限定的に制限してきたところであるが、医療に関する広告と同様に、妊産婦等に対して、必要な情報が正確に提供され、その選択を支援する観点から、客観性・正確性を確保し得る事項については、広告事項としてできる限り幅広く認めること。

法第6条の7第3項各号又は広告告示第5条各号若しくは第6条各号に定められた事項については、助産師の業務又は助産所に関する広告が可能であり、また、医療に関する広告と同様の考えにより虚偽広告等については、広告が禁止されている。

さらに、第4の医療に関する広告と同様の考えにより、医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合は広告可能事項の記載限定を解除できる。

助産師の業務又は助産所に関する広告として広告可能な事項は、それぞれ医療に関する広告の事項に準じているものであり、その取り扱いについては、本指針第5の該当箇所を参照いただき、禁止される事項や指導等に関しては、第3及び第6を準用されたい。

なお、分娩の介助や保健指導等の実施の項目として、その費用、実施日時、出産育児一時金受領委任払いの説明等についても広告可能であること。