クリニック・医院のホームページ制作・デザイン会社はたくさんありますが、どれを選べばいいか非常に分かりにくいと思います。そこでこのブログ記事ではクリニック系ホームページ制作会社を選ぶ6つのポイントを解説します。これはクリニックに限らず、歯科医院や病院にも当てはまります。
記事を読まなくても目次の1~6までを読めば、簡単にweb制作会社を絞り込むことができます。
Google検索で上位20社くらいをピックアップする
「クリニック ホームページ 制作」や「クリニック WEBサイト 作成」、「歯科医院 サイト作成」などのキーワードで検索し、上位20社くらいのWEB制作会社サイトを開いてみましょう。当然、検索上位の制作会社はSEO対策がなされています。
恥ずかしながら私どもが運営するLABCOATは上位20位には入っておりません(2017年8月現在)。一番の理由はlabcoat.jpドメインが登録してまだ若いことにあります。検索順位対策(SEO対策)は、内部コーディングの最適化、ドメインの運用年数、被リンクの質と数、充実したコンテンツなどによって総合的にランキングされます。
この中で、内部コーディングの最適化はすぐに実行できる項目ですが、それ以外は長い年月をかけて地道に優良なコンテンツを増やしていくしかありません。このことはクリニックや病院、歯科医院のホームページにもそのまま当てはまることです。
ということで、上位20社+LABCOATをピックアップしてみてください。LABCOATも優良なコンテンツを増やして上位にランクされるよう頑張ります!
制作会社自身のホームページがhttps(常時SSL)化されている会社を選ぶ
以前のブログ記事(Google Chromeがhttpサイトに対する警告を強化へ、https化・常時SSL化によるメリット・デメリット)でご紹介したように、ホームページのhttps(常時SSL)化はここ数年で急激に増加し(HTTP Archiveより )、現在では標準的な仕様になっています。
クリニックも例外ではなく、お問い合わせ欄や病院予約システムなど個人情報を取り扱うページがあったり、診療科によっては閲覧履歴すら他人に知られたくないケースもありますので、https化によるセキュリティの高いホームページ制作・運用が必要です。
既に運用しているhttpサイトをhttps化することは非常に大変な作業ですが、WEB製作会社がhttpsによる多くのメリットを放置して自身のサイトをhttps化しないのは、そのメリットを理解していないか、https化する体力がないなど、なんらかの問題があると考えられます。
また、そのような制作会社は、お客様のクリニックサイトもhttps非対応で作成するケースが多くみられます。http→httpsへの変更は非常に大変ですが、最初からhttps対応のホームページを製作することは、httpサイトを作るのと全く同じ作業量で済みます。これらの理由からホームページがhttps化されていないWEB制作会社は選択しないほうが賢明です。
驚くべきことに上位20社のホームページでhttps化されている制作会社は、意外にも少ないことが分かります。
制作会社自身のホームページがスマホ対応している会社を選ぶ
クリニックのホームページの場合、対象年齢層の低い小児科・産婦人科・眼科・歯科医院などはスマホでの閲覧割合が50%を超えてきています。2016年のデータでは、60代でもスマホ所有率が3割を超えました(博報堂のレポートより )。
Googleによる調査 では、ホームページがスマホ対応していない場合、79%がすぐに他のサイトを探そうとするデータがあります。即ち、スマホ対応していないだけの理由で新患候補が他のクリニックに行ってしまう可能性が高くなります。
クリニック系WEB制作会社のホームページも、スマホでの閲覧割合が急激に増えてきています。その状況において自身のサイトがスマホ対応していない制作会社は避けましょう。
WEB制作費・管理費が極端に安い・高い会社は避ける
製作費
クリニックのホームページを作成するにあたって最も分かりにくいのは、制作費・運営費の相場だと思います。Googleで「ホームページ 製作費」や「WEBサイト 作成費用」などを検索すると0円から100万円以上までバラバラです。
そこで「ホームページ制作 相場」、「WEBサイト 製作費 相場」などで調べてみて下さい。30万円~50万円くらいが中心価格だということが分かるかと思います。比較的シンプルなクリニックサイトの場合は~30万円、歯科や美容外科サイトによく見られるコンテンツ量が多いサイトは50万円~を目安としてください。
LABCOATではシンプルなサイトは398,000円+税、コンテンツ量が多い場合はプラス5~10万円くらいをお見積りさせて頂いております。
クリニックのホームページに特別な機能を特注したり、有名なデザイナーに依頼する訳でもない限り、50万円以上かける必要はないでしょう。
管理費
逆にサイト製作費が5万円以下など異様に安い場合は注意が必要です。人件費に換算するとせいぜい2~5日分です。もちろん本当に2~5日で作ったなら、ホームページはそれ相応の出来です。実際には製作費自体は赤字で制作している会社が多くあります。
ではどのように利益を得るかというと、管理費を高めに設定します。例えば「サイト製作費0円・月額管理料2万円」と「サイト製作費30万円・月額管理料1万円」では、下のグラフのように2年半を境に総コストが逆転します。クリニックのホームページを2~3年しか運用しないのであれば構わないですが、通常は最低でも10年以上の運用を考えていると思います。
ホームページ制作会社側の立場から考えると、初期費用0円は契約を結びやすくするための宣伝文句として使いたい気持ちは分かります。また、サイト製作費を回収したあとは管理費を多く受け取れるので美味しいビジネスモデルです。
しかし、このようなケースは当然WEB制作に加えて管理契約2年以上など、制作会社側が損しない契約になっているのが大半です。さらにオプション料金を含めると最終的には高くなることもあります。依頼者側(クリニック側)の立場から考えるとメリットはあまりありません。
独自ドメイン(URL)が利用できる制作会社を選ぶ
ドメイン(URL)は長く使えば使うほどSEO効果が高くなります。単純にドメイン登録の古さだけでなく、定期的に有益なコンテンツを増やしていくのが最も重要です。そうすれば自然と良質な被リンク(他のサイトからリンクされること)も増えていき、Googleからの評価が高くなります。
即ち、独自ドメインはクリニックにとって財産です。しかし、クリニック・診療所専門のWEB制作会社の中には、独自ドメインでの運用ができないところがあります。例えば [https://制作会社のドメイン.com/〇〇-clinic] などのように、〇〇だけを自由に決められるケースです。このケースでは2つの大きなデメリットがあります。
1つはドメインの所有権が制作会社側にあることです。せっかく良質なコンテンツを増やしていっても、制作会社が倒産してしまえばそのドメインは使用できなくなります。また、制作会社を変えることはドメインの変更を意味します。制作会社側にはお客さんを囲い込めるという大きなメリットがありますが、お客さん側にはデメリットが大きいのです。
もう1つのデメリットは、Google検索では同一ドメインが複数同時に検索結果に表示されにくいことです。例えば「クリニック 新宿」で検索した場合、競合のクリニックが同じドメインを使用していたら、自分のクリニックは検索結果に表示すらされない可能性があります。この場合、その検索キーワードでのGoogle評価が高い方のみ、検索結果に表示されます。Googleは「同じドメイン=同じ運営者=内容も同じ」と判断するようです。もし競合のクリニックが良質なコンテンツを頻繁に更新したら、いつまで経っても自身のクリニックサイトが検索結果に表示されないという、とてもリスクのある落とし穴があります。
WordPress対応の制作会社を選ぶ
クリニックのホームページを院長先生やスタッフの方が更新する際にはCMS(Contents Management System)というシステムを使います。CMSはhtmlやCSSなどの知識がなくても、Wordを使うのと同じような感覚でホームページの新着情報・休診日・ブログなどを更新できるシステムです。
数あるCMSの中で最も有名なのがWordPressです。2017年8月現在、上のグラフのように世界シェアは断トツのトップを占めています(W3Techs海外データより )。また、日本国内でのシェアも2位以下を大きく引き離しています(W3Techs国内データより )。
制作・管理会社の乗り換えが簡単
これだけのシェアを誇るWordPressですので、制作したサイトを他のWEB会社で修正や管理してもらうこともできるというメリットがあります。
一方で、クリニック系WEB制作会社の中には独自に開発したCMSを使っているところもたくさんあります。制作会社側からすればお客さんを囲い込めるというメリットがありますが、その会社がつぶれてしまったらまた1から作り直しです。
常に最新版に更新される
世界一多く使われているWordPressは、世界中のボランティアによって常に更新され続けています。それによってセキュリティに強いCMSが無料で利用できます。また、数年前にはほどんど普及していなかったスマホにもすぐに対応しました。
独自CMSの場合は、資金的に体力がないとシステム更新が放置されてしまいます。そしてスマホ非対応のままとなり、更にお客さんが離れてしまうという悪循環に陥る可能性があります。その点WordPressの場合は、サイト修正・管理を代行してくれるWEB会社はたくさんあるので安心です。
将来も安心
WordPressは元々ブログ用のCMSとして開発されました。それが使い勝手の良さとカスタマイズ性の柔軟さが支持され、現在では一般的なホームページ用CMSとしても広く使われています。
そんなWordPressですが、現在は圧倒的なシェアを占めていますが、この業界はとても移り変わりが激しいので10年後にはどうなっているか分かりません。
もしWordPressが将来的に使われなくなったとしても、これだけのシェアを占めるCMSですので、新しいCMSへ移行するシステムが開発されるかと思います。事実、シェアの高いCMSは引っ越しツールがいくつも開発されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。これら6つの中で特にスマホ対応とhttps化(常時SSL化)は、クリニックや病院の医療系に限らず、どの分野web制作会社でも必須の重点項目です。この2項目について制作会社自身のホームページが対応していない会社は除外しましょう。
このように6項目を基準に選ぶと、かなり絞られるのが分かると思います。これら制作会社自身のサイトデザインも重要な判断材料です。あとは残った候補の制作会社にコンタクトを取ってみて下さい。長期間に渡って付き合っていくことになるパートナーですから、応対の速さ・丁寧さ・内容の適格さも重要な判断基準になります。