【入門】医療広告ガイドライン解説

 

1.医療広告ガイドラインとは

医療広告ガイドラインとは医療法に基づいた医療機関の広告に関するガイドラインです。正式名称は「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」といいます。

  1. 1.医療法
  2. 2.医療広告ガイドライン
  3. 3.医療広告ガイドライン Q&A

医療広告ガイドラインにはQ&Aも公開されており、医療法を含めたこれら3つから構成されています。

2.規制の対象範囲

医業・歯業の病院とクリニックおよび助産所の広告が規制の対象です。

3.医療広告の定義

以下の2つの条件が満たされる場合、医療法上の医療広告となります。

(1)誘引性

患者の受診等を誘引する意図がある場合は誘引性が生じます。「これは広告ではありません」と書いても、実質的に誘引する意図があれば誘引性ありと判断されます。

(2)特定性

病院やクリニックの名前・電話番号・ホームページアドレスなどの記載があり、医療機関を特定できる場合は特定性が生じます。

4.医療機関のホームページも医療広告の規制対象

従来、クリニックや病院のホームページは医療法上の広告規制から除外されており、強制力のないガイドラインのもと自主的な取り組みを促していました。

しかし、 平成30年(2018年)6月の医療法改正に伴い、医療機関のホームページも広告規制の対象となりました。 ネット上にはそれ以前の情報も残っていることから、解説記事などを読む場合は日付にご留意ください。

5.医療広告には2種類ある

医療広告には以下の2種類あり、①と②では広告できる内容(書ける内容)に差があります。

  1. ①チラシ・看板など(患者などが受動的に見る広告)
  2. ②ホームページなど(患者などが能動的に見る広告)

①チラシ・看板など

①のチラシ・看板・CM・新聞広告・雑誌広告などは、 不特定多数の人が受動的に目にすることから、広告できる文言などが②より厳しく規制されています。①が広告できる内容は以下の14項目に限定されています。

  1. 1.医師あるいは歯科医師である旨
  2. 2.診療科名
  3. 3.医療機関名・電話番号・住所
  4. 4.診察日時・予約の有無
  5. 5.保険医療機関である旨など
  6. 6.地域医療連携推進法人の参加病院である旨
  7. 7.病床数やスタッフの人数
  8. 8.医療従事者の略歴や専門性資格など
  9. 9.セカンドオピニオンの実施など
  10. 10.紹介可能な医療機関名や紹介率
  11. 11.ホームページURLやe-mailアドレス
  12. 12.提供される医療の内容や往診の有無
  13. 13.手術検査や外来・入院患者数
  14. 14.その他

これら14項目は医療法 第六条の五-3に記されています。更に、医療広告ガイドラインでは13~31ページに詳しく解説されています。

②ホームページなど

一方、②のホームページなどは患者が能動的に見る広告であることから、後述の「限定解除」という条件を満たせば①の14項目以外にも広告可能です。

①は広告できる内容が、②は広告できない内容が決められています。 すなわち、②はこの禁止7項目以外であれば広告が可能です。

  1. 1.虚偽広告
  2. 2.比較優良広告
  3. 3.誇大広告
  4. 4.患者の体験談
  5. 5.説明が不十分な術前術後写真
  6. 6.公序良俗に反する内容
  7. 7.その他

なお、これら禁止7項目は①の広告にも適用されます。

6.限定解除とは

先述の通り、①のチラシや看板は広告できる内容が14項目に限定されていますが、②のホームページは要件を満たせば14項目以外にも広告が可能となります。このように14項目に限定されていた規制が解除されることから「限定解除」と呼びます。

7.限定解除できる要件

②のホームページ広告が限定解除できる要件は、以下の4項目すべて満たした場合です。ただし3および4は自由診療に限ります。

  1. 1.ホームページなど患者が能動的に見る広告であること
  2. 2.電話番号など問い合わせ先を書くこと
  3. 3.自由診療の内容・費用を書くこと
  4. 4.自由診療のリスク・副作用を書くこと

8.違反すると罰則や行政処分のおそれ

医療広告ガイドライン違反のホームページを公開していると、厚労省委託機関であるデロイトトーマツコンサルティング社や保健所から改善する旨の通知が届くことがあります。保健所からは行政指導や中止命令などが段階的に出され、悪質な場合には6月以下の懲役又は 30 万円以下の罰金や、クリニックの開設許可の取り消しなど非常に重い処分を受ける可能性があります。[医療広告ガイドライン 第6-4より]

まとめ

  • ・チラシ・看板など(患者が受動的に目にする広告)は広告できる内容が14項目に限定されている
  • ・ホームページなど(患者が能動的に目にする広告)は限定解除の要件を満たせば14項目以外にも広告可能である(ただし広告禁止事項の7項目が決められている)
  • ・違反すると懲役・罰金・開業取り消しなど重い処分を受ける可能性がある