クリニックのホームページをスマホ対応すべき理由
2010年にわずか10%だったスマホ保有率はわずか5年で70%に急増しました [博報堂のレポートより ] 。
それに伴い、スマホでクリニックや病院のホームページを検索する割合も急増しています。Googleの調査によるとホームページがスマホ対応していない場合、79%の人がすぐに他のサイトを探そうとするデータがあります [Googleのレポートより ] 。
もし先生のクリニックのホームページがスマホ対応していなければ、多くの新患や既存患者さんが競合のクリニックや病院に移ってしまっている可能性があります。今回のブログ記事では、何割の人がスマホを使ってクリニックHPを閲覧しているかを調べてみたところ、驚くべき数字がでました。
クリニックサイトをスマホで検索する割合
調査の方法
患者さんが地域のクリニックを探す時には「地名 クリニック」というキーワードでネット検索します。
この検索キーワードが、毎月どのくらいの数あるかを調べるGoogleキーワードプランナーというSEO対策ツールがあります。キーワードプランナーは各キーワードの検索ボリュームについて、検索者がスマホ・タブレット・パソコンのうち、どのデバイスを使用したかも調べることができます。
そこで今回は「(様々な)地名 クリニック」で検索された際のスマホ・タブレット・パソコン比率を調べてみました。データの期間は2016年9月~2017年8月です。
地名は山手線、総武・中央線、小田急線の全112の駅名を用いました。例えば新宿駅なら新宿を地名とし、「新宿 クリニック」を検索キーワードとしました。
結果
下の円グラフは全112地名の結果をまとめたものです。実に7割以上の検索はスマホ由来でした。2010年にはスマホ所有率がわずか1割だったことを考えると(上の棒グラフ)、驚くべき数字です。
受診したいクリニックが地域に1つしかなければ、スマホ対応していないサイトでも見てくれるかも知れませんが、他にもあれば7割の患者さんはそちらに流れてしまうでしょう。
医院サイトをスマホで検索する割合
次に「地名 医院」でも調べました。「地名 クリニック」と同様に、検索の7割以上がスマホ経由でした。
診療所サイトをスマホで検索する割合
診療所はクリニック・医院に比べると検索ボリュームが少ないのですが、「地名 診療所」でも調べてみました。その結果67%の人がスマホ経由で検索していました。これは診療所という単語を使う年齢層がクリニック・医院に比べて高いことが理由に考えられます。
病院サイトをスマホで検索する割合
次に病院を調べてみました。「地名 病院」というキーワードで検索する人の目的は大きく2つに分けられます。1つ目はクリニックと病院の区別ができず・せずに検索する人です。2つ目はクリニックではなく病院を探す人です。
後者の目的の場合、大きなケガや病気に罹っている可能性が高く、病院の情報をじっくりと調べる傾向にあります。そして「病院名 評判」などのキーワードでさらに詳しく調べたりもします。このようなケースでは病院に限らず他のジャンルでも、パソコンで検索する割合が高くなります。
とは言ってもスマホでの検索割合は約6割あるので病院のホームページもスマホ対応が必須です。
診療科別のPC・スマホ閲覧比率
地域のクリニックをネット検索する場合「地名 クリニック」ではなく、「地名 小児科」など診療科を指定して検索することもあります。
例えば「地名 皮膚科」の検索ボリュームはクリニック・医院・診療所を合わせた数よりも多いことが分かります。先生のクリニックの標榜科目についても、スマホ経由の検索が何割あるかは興味があるところだと思いますので調べてみました。
スマホ検索率の高い診療科は美容外科(86.7%)、産婦人科(84.3%)、小児科(78.9%)でした。これらの診療科は患者さん(小児科の場合はその親)の年齢層が若いのでスマホでの閲覧割合が高くなります。
放射線科と麻酔科はスマホ検索率が低いですが、これは患者さんではなく医療関係者が検索している可能性があります。このように仕事として検索されるキーワードはパソコンの比率が高くなります。
眼科・眼医者・目医者のスマホ検索率は、それぞれ61.5%、50.8%、45.7%でした。おそらく眼医者・目医者という単語を使う年齢層が高いことからこのような結果になったと考えられます。とは言え、スマホ対応すべき状況に変わりはありません。
まとめ
初診の患者さんは、クリニックの場所や診察の曜日・時間だけでなく院長先生やスタッフの情報をホームページで見ています。また、再診の患者さんは診察の曜日・時間の再確認や臨時休業の有無をホームページで確かめます。
もしクリニックのホームページがスマホ対応されていなければ、これらの情報をスマホで閲覧することは非常にストレスに感じます。最初にご紹介したようにサイトがスマホ対応されていない場合、79%の人がすぐに他のサイトを探そうとしてしまいます。再診の患者さんにとっても他のクリニックに乗り換えるキッカケとなってしまう可能性があります。
クリニックのホームページもここ数年で大多数がスマホ対応されました。しかしまだ未対応のサイトも残っており、そのようなクリニックは競合に新患だけでなく再診の患者さんを取られている状態が続いています。
先生のホームページをスマホ対応する際、必ず同時に行わなければならないのがサイトの常時SSL化・https化(暗号化)です。常時SSL化はこの2、3年で急激に増加し、未対応のサイトは2017年10月から警告が表示されるようになりました。サイトをスマホ対応する際は必ずこの常時SSL化も行ってください。