【注意】妊娠中のビタミンB3摂取は流産のリスクを減少させる、ただし・・

 

【注意】妊娠中のビタミンB3摂取は流産のリスクを減少させる、ただし・・

Yahooニュースで興味深い記事を見つけましたのでご紹介します。ニューサウスウェールズ大学らのグループが、妊娠中にビタミンB3(ナイアシン)を摂取することによって流産や先天異常のリスクを減少させられる可能性を発表しました。

ただし、この研究は遺伝的にNicotinamide adenine dinucleotide (NAD)合成系の遺伝子に異常がある人を対象にしています。つまり異常のない人が妊娠中にビタミンB3を摂取するとどうなるかは言及していません。自己判断でサプリなどを採るのではなく、クリニックや病院など医療機関で専門家の意見を聞いてください。

というブログを書いていたら専門家の先生からの補足コメントがアップされていました。一般の方のコメントは9割以上が勘違いしています・・。やはり特定の栄養素を、しかも妊婦が過剰摂取することはリスクを慎重に考えるべきですね。

元の論文はこちらのNEJMです [N Engl J Med. 2017 Aug 10;377(6):544-552, NAD Deficiency, Congenital Malformations, and Niacin Supplementation]。この研究者らは流産などを経験した家族の遺伝子を網羅的に調べ、さらに原因因子候補の酵素活性を測定しました。その結果、3-hydroxyanthranilic acid 3,4-dioxygenase (HAAO) と kynureninase (KYNU)という酵素の遺伝子に変異(variant)があることを見出しました。

下のツイッターから引用した図(左側)を見てください。HAAOとKYNUは、食事から接種したトリプトファンをNADに変換するのに使われる酵素です。ビタミンB3(図ではniacin)はHAAOとKYNUより下流にあるのでNAD合成を補うことができるようです。HAAOとKYNUに変異があるとin vitro での酵素活性が低く、体内のNAD濃度も低いことが分かりました。haao-null あるいはkynu-null マウスにビタミンB3を与えると先天異常が減少しました。

ということで市川衛先生もコメントされていますが、特に妊娠中は自己判断でサプリなどを過剰摂取せず、クリニックや病院で専門家の意見を聞きましょう。