【速報2017-18年】今年のインフルエンザワクチンは効果があるのか?流行型は?

 

【速報2017-18年】今年のインフルエンザワクチンは効果があるのか?流行型は?

厚生労働省(厚労省)は12月1日、今冬のインフルエンザ流行シーズンに入ったと発表しました [インフルエンザウイルスの発生状況について -厚労省 (リンク先はpdfファイル) ] 。今年はワクチン不足のニュースがありましたが、そもそも今年予防接種したワクチンは効果があるのでしょうか。

このブログ記事では、インフルエンザの流行時期・流行型・ワクチンの効き目などについて、国立感染症研究所や厚労省など公的機関のホームページ情報を引用する形で速報をご紹介します。

本記事の要点

  • ・厚労省は12月1日にインフルエンザの流行期に入ったと発表
  • ・ワクチン効果の低いA(H3)型ウイルスが流行する兆候あり
  • ・A(H3)型ウイルスに対するワクチンの予防効果は10~38%
  • ・2017.12.29追記 今シーズンはA(H1)型が主流
  • ・2018.01.26追記 今シーズンのワクチンはまあまあ当たり →詳しくは記事後半へ

更新情報

  • 2017.12.15  流行状況を更新しました
  • 2017.12.22  流行状況を更新しました
  • 2017.12.29  流行型の割合情報を追記しました
  • 2018.01.06  流行状況の更新と都道府県別のデータを追記しました
  • 2018.01.11  流行状況を更新しました
  • 2018.01.19  流行状況を更新しました
  • 2018.01.26  流行状況を更新と都道府県別のデータを追記しました
  • 2018.02.04  流行状況を更新しました
  • 2018.02.16  流行状況を更新しました

1.  2017年/18年のインフルエンザ流行状況速報

1.1  12月1日の状況

厚労省は12月1日、定点あたりのインフルエンザ患者の報告数が流行開始の目安である1.0を上回ったと発表しました [ インフルエンザウイルスの発生状況について -厚生労働省 (リンク先はpdfファイル) ] 。

なお、2015/16年(2年前の冬)は1月15日、2016/17年(去年の冬)は11月25日にインフルエンザの流行シーズンに入ったと発表されました。

1.2  12月8日の状況

下のグラフが分かりやすいと思うのですが、インフルエンザはこのように冬になると一気に流行します。縦軸はインフルエンザの報告数、横軸は時系列で1目盛りが1週間です。厚労省が12月8日に発表した最新データでは [ インフルエンザに関する報道発表資料 -厚生労働省 ] 、患者報告数は前週より更に増え、流行期に入っていることが確認できると思います。

12月8日現在のインフルエンザ流行状況

1.3  12月15日の状況

定点あたりのインフルエンザ報告数は先週の2.58から4.06に増加しました。

12月15日現在のインフルエンザ流行状況

また学級閉鎖なども増加しています。

12月15日現在のインフルエンザによる学級閉鎖

1.4  12月22日の状況

定点あたりのインフルエンザ報告数は先週の4.06から更に増加して7.40になりました。

12月22日現在のインフルエンザ流行状況

休校・学年閉鎖・学級閉鎖も先週より増加しています。

12月22日現在のインフルエンザによる学級閉鎖

1.5  1月5日の全国と都道府県別の流行状況

定点あたりのインフルエンザ報告数は先週の7.40から12.87に増加しました。

1月5日現在のインフルエンザ流行状況

国立感染症研究所が1月5日に発表した、昨年12月27日現在での都道府県別インフルエンザ流行情報マップ がこちらです。こちらのサイトでは各都道府県の更に詳細なマップを見ることもできます。

1月5日現在の都道府県別インフルエンザ流行マップ

1.6  1月10日の状況

定点あたりのインフルエンザ報告数は先週の12.87から17.88に増加しました。下のグラフを見てもらうと分かりますが、12/25~12/31の時点(発表は1/10)で、過去2年のピークの半分程度まで報告数が増加しています。またこれは約2週間前の報告数ですので、例年通り推移すると仮定すると現在が流行のピークあたりであると推測できます。

1月11日現在のインフルエンザ流行状況

1.7  1月15日と19日の状況

厚生労働省は1月15日と19日にそれぞれ2018年第1週目、第2週目のインフルエンザウイルス流行状況を報告しました。

定点あたりのインフルエンザ報告数は2017年最終週が17.88でしたが、2018年第1週目(1/1~1/7)は16.31と減少しました。これは第1週目が年始の三が日を含む週であったことが影響していると考えられます。冬休みに入って学校での集団感染が少なくなり、またクリニック・病院が休みになりインフルエンザに感染しても受診しなかったケースもあると思われます。

翌週(1/8~1/14)は26.44に増加しました。

1月19日現在のインフルエンザ流行状況

国立感染症研究所が公開している都道府県別インフルエンザ流行情報マップはこちら↓です。ほとんどの都道府県で警報レベルになっていますね。

都道府県別インフルエンザ流行情報マップ – 国立感染症研究所

1.8  1月26日の状況

厚生労働省の発表によると、定点あたりのインフルエンザ報告数は前週の26.44から約2倍の51.93に増加しました。直近の5 週間に検出されたインフルエンザウイルスの種類は AH1pdm09とB 型がほぼ同程度で、次いで AH3 型の順でした。

1月26日現在のインフルエンザ流行状況

国立感染症研究所がホームページ上で公開している、インフルエンザの都道府県別流行状況も全国的に警報を示す赤となっています。

都道府県別インフルエンザ流行情報マップ – 国立感染症研究所

1月26日現在の都道府県別インフルエンザ流行マップ

学級閉鎖・学年閉鎖・休校の数も冬休みに伴って一旦減少しましたが、本日発表のデータでは急増ました。

1月26日現在のインフルエンザによる学級閉鎖

1.9  2月2日の状況

前週の定点当たりインフルエンザウイルス検出数は51.93と過去数年で最高でしたが、2/2発表の最新データでは52.35とやや増加しました。

2月2日現在のインフルエンザ流行状況

都道府県別の流行状況も前週より警報の赤が増加しました。

2月2日現在の都道府県別インフルエンザ流行マップ

1.10  2月9日の状況

厚生労働省が2月9日に発表した定点当たりあのインフルエンザウイルス報告数は、前週52.35から更に増加して54.33になりました。

2月9日現在のインフルエンザ流行状況

1.11  2月16日の状況

ようやく減少しました。2月16日発表のインフルエンザ報告数は前週の54.33から45.38に減少しました。しかし依然として過去2シーズンのピークより高い値となっています。

2月16日現在のインフルエンザ流行状況

2. 誰がどのように毎年のワクチンの種類を決めているのか?

2.1 ワクチンの種類を決める方法

インフルエンザにはいくつかの種類があり、ワクチンもその種類に適合しないと効果がないことはご存知の通りです。では、毎年どのようにしてワクチンの種類を決めているのでしょうか。

日本のインフルエンザワクチン株選定は、厚労省の要請に基づき国立感染症研究所で行われる「インフルエンザワクチン株選定のための検討会議」で検討され、この結果に基づいて厚労省が決定しています。

国立感染症研究所のホームページには、過去のインフルエンザワクチン株の種類と選定理由 について書いてあります。専門的すぎて分かりづらいですが、ワクチンの種類は近年の流行ウイルス種・ワクチンの製造効率・ワクチンの効果などを基に検討・選定されているようです。

2.2  今冬2017/18年のインフルエンザワクチンの種類は?

今冬のインフルエンザワクチンは以下のような4種類混合となりました [ 国立感染症研究所HPより ] 。これらのウイルスを鶏の卵で増殖させた後、死滅させて無毒化などの処理を行ったものがワクチンとして用いられます。

Aシンガポール/(H1N1)pdm09
A香港 /H3N2
Bプーケット/山形系統
Bテキサス/ビクトリア系統

大きく分けてA型とB型が2種類ずつ、合計4種類が混ざっています。どのクリニック・病院で摂取しても同じです。

3. 今年はインフルエンザワクチンを作り直した

3.1 昨シーズン使われたA香港型は有効性が低い

今年、最終的に作られたインフルエンザワクチンにはA香港型が含まれていますが、当初はA香港ではなくA埼玉という別のウイルス型で製造を進めていました。どちらもA(H3)というタイプのインフルエンザにワクチン効果があります。

今冬はインフルエンザワクチンには頼れません! - 日経メディカルより

実は、A香港型ウイルスは鶏卵で増殖させる過程で変異が起き、抗原としての効果(ワクチンとしての効果)が低下するという問題がありました。実際、昨シーズンもA香港型がワクチンに用いられたのですが、その効果・有効性はアメリカでは34%、欧州は17%、豪州は10%、日本(6歳未満)は38%しかありませんでした(いずれの数値も上記日経メディカルの記事より)。

3.2 有効性が高く期待されたA埼玉型は製造効率が悪いことが判明

そこでA香港と同様にA(H3)ウイルスに効果があり、増殖させても変異が起こりにくいA埼玉型に期待が寄せられ、当初今シーズンのワクチン株に採用されました。しかし、各ワクチンメーカーがA埼玉株を用いてワクチンを製造してみると、ウイルスを不活化(死滅)させる処理工程において原因不明の大幅ロスが生じ、最終的な収量は通常の3割程度にまで低下したそうです。

このままでは供給量が需要を満たせなくなるという事態に陥ったため、再度A香港株で作り直しました。このような事情から今年はワクチンの供給が遅れ、厚労省は「昨シーズン以上にワクチンの効率的な活用を徹底すること」と通達しており、13歳以上は原則1回のワクチン接種を求めています。

季節性インフルエンザワクチンの供給について - 厚労省より(pdfファイル)

4. 今冬のインフルエンザワクチンは当たりか?ハズレか?

4.1 ワクチンが効きにくいA(H3)型が流行する兆候あり 2017.12.07現在

今シーズンのインフルエンザワクチンはAシンガポール型・A香港型・Bプーケット型・Bテキサス型の4種類が混合された4価ワクチンです。それぞれ、以下のように効果のあるウイルスが対応しています。

  • Aシンガポール: AH1(下の棒グラフの水色)
  • A香港: A(H3)(同ピンク)
  • Bプーケット・テキサス: B系統(同緑色)

問題は今冬、A(H3)型インフルエンザウイルスが流行するかどうかです。A(H3)に対応するのはA香港ワクチンですが、既述の通りその効果は10~38%でしたので、A(H3)が流行するとインフルエンザワクチンの予防接種を受けても感染・発症する可能性が高くなります。つまりワクチン株の選定がハズレという訳ではなく、ワクチンが効きづらいウイルス型が流行ってしまったということになります。

インフルエンザ系統の年別流行比率

今シーズンは2017年12月7日現在、AH1は48.0%、A(H3)は29.0%、Bは23.0%でした。ここ5年間はAH1とA(H3)が交互に流行していましたが、それ以前は同じウイルス型が連続して流行することもありましたので、今冬もA(H3)が流行する可能性は十分あります。データがアップデートされたら、こちらのブログで追記します。

また、日本で流行するインフルエンザウイルスの型は、中国・韓国・モンゴルなど近隣の国と同じような傾向になることが分かっています。残念ながら現在のところ、中国ではA(H3)が流行の主流であると報告されています [ 日経メディカルより ] 。

4.2  2017.12.29追記 A(H3)型の割合は現在のところ少ない

朗報です。国立感染症研究所が2017年12月27日に作成した資料 によると、現在のところA(H3)型の割合はシーズン前半に比べて減少しています(下のグラフ)。A(H1)pdm09が半数以上を占めていますね。ちなみにpdmとはパンデミックの略で、2009年に流行・大騒ぎした新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)です [ 2009年新型インフルエンザの世界的流行 – Wikipedia ] 。すっかり普通のインフルエンザとして定着しています。

2017年シーズンのインフルエンザ流行型の推移

昨シーズンはこのように↓ワクチンが効きにくいA(H3)型が過半数を占めており、シーズン後半でB型が増えていました。

昨シーズンのインフルエンザ流行型の推移

ということで12月29日現在は、インフルエンザワクチンの効果が高い型が流行しているようです。

5. インフルエンザの予防法

インフルエンザの予防法について国立感染症研究所のホームページより引用 します。ワクチンの予防接種以外にできることは、これら基本的なことですね。

予防としては基本的事項として、流行期に人込みを避けること、それが避けられない場合などにはマスクを着用すること、外出後のうがいや手洗いを励行することなどが挙げられる。

ご家族や職場の同僚など周りの人達にうつさないことも重要ですね。

厚生労働省のホームページにインフルエンザQ&A という項目があり、予防法・ワクチンの接種回数・有効性・副作用・治療法・異常行動について分かりやすく書かれていますので、こちらもご参照ください。